一昨年の6月、広島の自動車メーカー『マツダ』の工場で車を暴走させて社員12名をはねたとして、殺人罪などに問われている元期間従業員の引寺利明被告(44)。2月24日に裁判員裁判の第7回公判が広島地裁で開かれ、検察側が無期懲役を求刑した。

 事件では1人が死亡し、11人が重軽症を負っているが、罪状認否で引寺被告は、「マスコミの皆さん、よう聞いとってくださいよ」と前置きした上で、「8人目までは認める。9人目以降は覚えていない」と、死者を含む9人目以降の犯行については容疑を一部否認したのである。
 初公判の日も、休憩が入った後の再開直後にはアクビをしながら入廷。いきなり「裁判員に心構えを説きたい」と言い始め、「裁判官になろうとしなくていい。素人目線で質問して」と述べるなど、“上から目線”で反感を買った。
 また、被告人質問の朝には、尊大な様子で法廷内を見回した後、傍聴席、弁護側、裁判官に向かって、それぞれ大声で3度、「おはようございます!」と威圧。「なんでも聞いて下さい! 嘘はつきません!」と前置きした上で質問が始まったが、「うーん、うまく答えが見つからないんでパスさせて下さい(笑)。初めてのパスですよ(笑)」など、舐め切った態度が目立った。
 その後の審理でも、奔放な態度やビックリ発言を繰り返し、傍聴人らの失笑と怒りを買っていたようだ。

 動機については、「マツダ従業員による集団ストーカー行為が原因」と語った引寺被告だが、「マツダ全体が憎かった。20〜30人殺せたとしても満足できたかわからない。この結果は不満だ!」と、まだまだ未練が残っている様子。
 最終意見陳述でも改めて、「仮釈放されれば、またマツダに突っ込む。今度は必ず成果を残す」と堂々の再犯予告が飛び出した。
 「精神鑑定のため、夏場に京都拘置所に移された際には、『こんな暑いところに入れてどういうつもりだ! 広島に返せ!』と吠えてたらしい。しかも、亡くなった被害者の遺族に対して、〈わしが旦那を消したことで、あんたもすっきりしとるじゃろ〉〈保険金も手に入って感謝してほしい〉〈100万ほど差し入れてくれ〉などと書いた手紙を送りつけるなど、まさに鬼畜ですよ」(社会部記者)

 判決は3月9日だが、こんな男には無期懲役では生ぬるい。