全国政協委員で北京外国語大学の副校長の金莉氏はこのほど、商業化された少林寺は日本の寺院に学び、商売っ気を払しょくすべきと提案した。中国網日本語版(チャイナネット)が報じた。

 金莉氏は少林寺の経営管理に混乱が生じているとの認識を示し、「2011年、日本に出張した際に現地の寺院を参拝したが、その文化には学ぶべきものがあった。僧侶は自分のやるべきことをやり、物を売りつけることも、占いを誘うこともなかった。中国に帰国してから少林寺に行ったが、寺の門では僧侶が物を売り、占いを勧誘するなど、完全に商業化されていた」と苦言を呈した。

 さらに、「もっとも心が痛んだのは、歴代の高僧や僧侶の石碑に飛行機や自動車の絵が刻まれていたことだ。少林寺が持っていた雰囲気や中国文化の精髄は失われてしまった」と主張した。

 11年12月、世界文化遺産の中心地域にある少林観光地区は管理面の不備から、中国全国観光地レベル評価委員会によって「期限付き改善勧告」がなされていた。(編集担当:米原裕子)