正式には、まだ移籍マーケットは再開していない。クリスマスツリーの下で、考え、望み、夢見ているだけだ。セリエAの各クラブの動きはどういったものかを見てみよう。

●ミラン
何よりもテベスだ。ミランがマンチェスター・シティに提示しているオファーは、無償レンタルと2400万ユーロ(約24億4000万円)での買い取り。マンC側はこれを望んでおらず、彼らはシーズン後に完全売却できるという保証を求めている。

だが、ミランのガッリアーニ代表取締役がオファーを変えることはないだろう。それは、ライバルであるパリ・サンジェルマンがポルトFWフッキの獲得に動いているからでもある。そのため、時間が経てば経つほど、テベスはミランへ近づくだろう。

一方、カターニアFWマキシ・ロペスのことが凍結状態なのは、12月31日までだ。年が明ければすべてが自由となり、だからこそチェルシーのフェルナンド・トーレスも有効な代役のままとなっている。

また中盤について、ガッリアーニ代表取締役はバルセロナのケイタへのオファーを考えている。同選手は2014年の契約満了を前に退団する可能性があるのだ。シーズン後はフィオレンティーナMFモントリーヴォにも機会があるだろう。放出に関しては、出場機会を望むインザーギや、プレー機会を必要としているエル・シャーラウィ、そしておそらくタイウォが候補だ。

●ナポリ
デ・ラウレンティス会長が言うように、エドゥアルド・バルガスの獲得は決まりだ。ウニベルシダー・デ・チリには1100万ユーロ(約11億2000万円)が支払われ、選手は年俸150万ユーロ(約1億5000万円)で2016年までの契約を結ぶ。これでマッツァーリ監督にとって、前線はOKだろう。

南米での調査はほかでも続き、6月の獲得に向けては、インスティトゥート・コルドバ(アルゼンチン2部)のFWディバラ、リーベル・プレートMFチリリアーノ、ラシン・アベジャネダ主将ヤコブといった選手たちがいる。マスカーラとリナウドは放出に向かっており、一方でマッジョは2013年までの契約の延長に近づいている。

●ローマ
ボッリエッロを放出することで、別のストライカーを獲得するとなれば、ルイス・エンリケ監督としては喜ばしいところだ。ビジャレアルFWニウマールの代理人は、同選手をビジャレアルから連れ出そうとし続けている。

ただ、優先すべきはデ・ロッシの契約延長だ。混乱した状況のまま2012年を始めることは、リーグ後半戦に向けて落ち着きをもたらさないだろう。また、シシーニョやオカカの去就も決めなければならない。おそらく、一部選手を売却することで、すぐにローマの役に立つ選手の獲得へとつなげるだろう。