アジア圏の映画などについてのフランスのサイト「Asiafilm.fr」では、J-POPや日本のポップカルチャーについてつづっている。

 まず、筆者は日本経済の状況について、1990年代にバブル経済が破たんして以降、低迷していると語る。特に若年層は、満足の行く収入を得られる仕事に就くことができない場合もある。そのため、品質が多少悪くても安いものを求める、もしくは一般的に消費を避ける傾向が日本にもあると説明。

 このような状況下でも、漫画やアニメなどのファンである「おたく」と呼ばれる人たちは、自分たちの好きなものに対しての出費を惜しまない。そのため、これらの文化は存続できているのではないか、と自身の考えを示している。ただし、おたくと呼ばれる層は、日本でもかなり少数だと述べている。

 筆者はAKB48を例に挙げ、歌手グループとしては高い人気があるものの、日本のアイドル歌手は作品自体を通じて社会に及ぼす影響が少ないと述べる。

 また、動画サイト「YouTube」での動画の視聴状況をもとに、AKB48の動画の視聴者は、日本の若年男性層が中心だが、K-POPは、国際的に人気が高く年齢、性別も広域に渡っており、安定感があると述べている。ファン層が限られる日本のJ-POPについて、筆者は基盤が弱いと感じており、緊急を要する危機的な状況にあるのではないかと指摘している。

 日本におけるポップカルチャーの位置づけが、フランスでも注目されている様子がうかがえる。(編集担当:山下千名美・山口幸治)