【日刊埼玉西武ライオンズからのお知らせ】
日刊埼玉西武ライオンズ筆者・太友加寿仁が運営しますリトルロックハート・ベースボール・ラボラトリーでは現在、東日本大震災にて被災した野球少年・野球少女の支援を行っております。ぜひ皆様もご縁がありましたら、ご協力いただけると嬉しく思います。よろしくお願いいたします。
リトルロックハート・ベースボール・ラボラトリー
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筆者が今一番気になっているのは中島裕之選手のポスティングの動向でもなく、帆足和幸投手ミンチェ投手のFA動向でもない。少なくとも彼らは来季も間違いなくどこかでユニフォームを着ることができる。しかしG.G.佐藤選手は違う。来季も野球ができるかどうかはまだ分からないのだ。

昨日は今オフ二度目の合同トライアウトがQVCマリンで行なわれた。G.G.佐藤選手の結果は7打数1安打3三振。カウント1−1からのシートバッティング(試合形式)だったとは言え、最善の結果でなかったことは明らかだ。これで一回目のトライアウトと合わせると、G.G.佐藤選手は14打数3安打で、打率は.214となる。

昨日のトライアウトでは最後の打席に痛烈な二塁打を放ったようだが、しかし打ったボールは決して1軍レベルのボールではなかった。痛烈な当たりであったとしても、これが良い評価に直結するとは考えにくい。なぜなら、それまでの打席内容が芳しくなかったためだ。右のパワーヒッターであるG.G.佐藤選手らしからぬ平凡なライトフライ、どん詰まりのピッチャーゴロに、3つの三振。これがダルビッシュ投手と対戦しての結果ならば話は分かる。しかしそうではない。相手は全員、今年戦力外通告を受けた、いわばプロをクビになった投手たちなのだ。言葉は悪いが、彼らを打ち崩せないようではG.G.佐藤選手の来季は難しいだろう。

数週間前だっただろうか。G.G.佐藤選手は「育成契約でもいいから野球を続けたい」という旨の言葉を残していた。G.G.佐藤選手はライオンズにとっては大きな功労者だ。もしこのトライアウトでG.G.佐藤選手にオファーがなかったなら、西武球団には育成選手としてG.G.佐藤選手と再契約をしてもらいたい。ファンの誰もがそれを願っているはずだ。

ヒーローインタビューでは「キモティー!」と雄叫びをあげ、数多のファンを喜ばせてくれた。G.G.佐藤選手で勝てた試合は決して少なくはない。確かに一年前には3ヵ所同時にメスを入れるという異例の手術を経験したG.G.佐藤選手だが、例えばポスト平尾博嗣というポジションで再び活躍の場へのチャンスを与えることは難しいのだろうか?ましてやフェルナンデス選手が抜けたことで、ライオンズの長打力は予想以上に低下してしまったのだから。

今季の年俸の1/10でもいいではないか。確かに保有選手である場合は減俸率の上限が設けられてはいるが、一度自由契約となったG.G.佐藤選手にその制約は適用されない。今季の年俸は6300万円だったわけだが、再契約をすれば600万円でも500万円でも良いのだ。ましてや育成契約であれば、最低年俸は240万円とされる。そこまで下げなくとも、G.G.佐藤選手に300〜500万円の年俸を支払うのは、プロ球団として決して苦にはならないはずだ。

これはファンとしての願いであり、感情論でしかないわけだが、西武球団にはもう一度だけG.G.佐藤選手に働き場を与えてあげてもらいたい。そうすれば、きっとG.G.佐藤選手は再び1軍のグラウンドに戻って来てくれるはずだ。とにかく今はファンとして、G.G.佐藤選手が来季もユニフォームを着れるということだけを、ただ願いたい。