シアトル・マリナーズは3Aタコマ・レイニアーズからイタリア人内野手のアレックス・リディ(23)を今日付けでコールアップしたとのこと。
これで正確には「イタリア生まれ、イタリア育ちの最初のメジャーリーガー」ということになるそうです。

まあ過去にはイタリア生まれアメリカ育ちとか、イタリア国籍を持った移民のメジャーリーガーなどは存在したものの、イタリアで生まれ育ったメジャーリーガーは彼が初めてなので、実質的な初の「イタリア人メジャーリーガー」と呼んで差し支えないでしょう。

彼は2005年にスタートした「MLBヨーロッパアカデミー」の一期生ということで、アカデミー生としても初めてのメジャーリーガーということになると思います。

ヨーロッパアカデミーはたぶんディスウィークインベースボールとかでよく紹介されているので、知ってる人は知っているんじゃないですかね。
まあ毎年欧州各地でトライアウトを行って、そこに合格した選手たちがイタリアにあるアカデミーでトレーニングやゲームなどを行う合宿みたいな感じですかね。
ここでメジャーのスカウトの目に留まった選手の多くがMLB球団とマイナー契約を結んでいます。

リッディーは2006年からマリナーズの傘下チームでプレー。
2009年のワールドベースボールクラシックではレギュラーの三塁手として活躍。
そこでバッティングのコツを掴んだのかそのシーズンはそのまま好調を維持しカリフォルニアリーグ(1A)のMVPを獲得。
そこから昨年は2A、今年は3Aと順調に結果を残し今年9月のロースター枠拡大に伴って昇格を決めました。
マリナーズはチーム事情もあって最近はマイナーから上げた若手をよく使っているので、彼も早速出番があるんじゃないでしょうかね。
昨年オランダ人メジャーリーガーとして同時期に昇格したグレゴリー・ハルマンを思い出します。

さて彼の今シーズンの成績

打率.259(559−145)、30HR、104RBI、出塁率.332、OPS.821
昨年の2Aでの成績よりホームランなどは軒並み向上。
オフのベネズエラ修行の効果があったんでしょうか。
まあ成績も盗塁以外はハルマンみたいな感じですかね。三振も多いし。
セーフコだしこの手のタイプはいろいろメジャーの壁にブチ当たりそうな気がします。
まあ去年くらいから一度くらいは上まで上がってくるだろうなと思っていたので、本人的にもすでに目標は上がることそのものではなくて、メジャーに定着できるかってところだと思います。
この辺はまだ若いので徐々に力を付けていってもらいたいところです。

しかしまあMLBってほかのプロスポーツより下部組織が充実してるので、これまで以上に10台の欧州選手を青田買いしてマイナーに放り込むってパターン増えそうですよね。いやすでにもうやってますね。
近年はマリナーズみたいな国際戦略を推し進めている球団は欧州担当スカウトもいるらしいですし。コストもマイナー契約だし大してかからない。当たればもうけって感じでしょうか。

リッディー個人の話に戻すと守備のほうでも頑張らないと。
年々良くなってきてますがそれでもエラーが多い。
守備率で言うと.950切ってますからね。
サードからファーストに回ればメジャー定着はさらにハードル上がるでしょうしねえ。
足と肩あるから外野転向ってのも最終手段にしていただきたい。

しかし野球の発展途上国、というのは

・国内リーグの整備
・有望選手を先進国に送り出す

この二つを平行して行っていくことが望ましいのですが、イタリアはこれができてきている。
MLBの資金援助をもとにプロ化に踏み切ったイタリアリーグは、レベルが年々向上。
外国人選手はMLBや3Aでやってたような選手がゴロゴロいます。