スペインサッカー選手協会(AFE)とスペインプロリーグ(LFP)は22日にも交渉を行ったが、これは役立たなかったようだ。リーガエスパニョーラは先週末の開幕節に続き、今週末の第2節でもストライキが続くこととなった。

状況は打開されておらず、選手たちは諦めていない。AFEのスポークスマンであるルイス・ヒル氏が、「ストライキは第2節も」と話しており、「私も楽観的でいたいが、そうではない。みんながプレーを見たいのは理解している。私も同じだ。だが、給料を受け取っておらず、契約を保証されていない選手たちのことを考えなければいけない」と続けている。

LFPとAFEは23日も交渉を続ける。LFPのホセ・ルイス・アスティアサラン会長は、「小さな歩みを続けていこう。妥協点を見つけ、ストライキを終わらせるためにね」と語った。

選手たちが求めているのは、未払いとなっている5000万ユーロ(約55億2000万円)の給料支払いだ。AFEによると、現時点で1部と2部リーグあわせ、200人の選手がサラリーを受け取っていないという。LFPは毎年1000万ユーロ(約11億円)の損失補てん用基金を設立すると提案したが、AFEはこれが不十分と判断した。

選手たちに対する5000万ユーロの未払いは、スペインのクラブが抱える負債の氷山の一角でしかない。総額では35億ユーロ(約3860億円)と見積もられており、『パイース』は「リオネル・メッシとクリスティアーノ・ロナウド、そして欧州で最もリッチな2クラブであるバルセロナとレアル・マドリーの後ろには、1部と2部の大半のクラブを壊滅させる恐れのある金銭的な溝が隠されている」と報じている。

さらに問題なのは、負債を抱えるクラブが「倒産法」を使い、破産申請をするにもかかわらず、スポーツ面での処分を免れることができることだ。2002年以降、22のクラブがこれを申請している。『パイース』は、欧州のほかの主要リーグはスペインと違い、何もなかったかのようにクラブが続けることはできないようになっていると伝えた。

イタリアの場合、4月までのサラリーを6月までに支払ったことを証明できないクラブは、翌シーズンのリーグ戦に登録することができない。イングランドでは、支払い能力のないクラブは、2010年のポーツマスのように、9ポイントの減点処分を科せられる。