石油王たちが真剣だ。サッカー界もオイルマネーの時代となり、新たな“主人”たちを迎えている。今夏、一部の中東とロシアの勢力が、旧大陸におけるサッカー界のヒエラルキーをひっくり返したのだ。7月31日時点でマーケットを支配したのは、『カタール・インベストメント』のパリ・サンジェルマン(PSG)と、マンスール・ビン・ザイド氏のマンチェスター・シティ、そしてアブドゥラ・ベ・ン・ナサル氏のマラガである。サッカーで初めて、真の「アラブ改革」が起きたのだ。

PSGは時間を無駄にしなかった。6月にタミン・ビン・ハマド・アル・タニ氏の『カタール・インベストメント』が買収してから1カ月もしないうちに、クラブは今夏のマーケットで最も多くの投資を実現している。その額は8600万ユーロ(約96億3000万円)にまで上った。最高額は、MFハビエル・パストーレの獲得に費やしたパレルモへの4300万ユーロ(約48億1000万円)だ。

そのほか、PSGはジェレミー・メネス、モモ・シソコ、サルヴァトーレ・シリグ、ブレーズ・マテュイディ、ミラン・ビセバッチ、ケヴィン・ガメイロを獲得している。さらに、PSGはこれで終わりにしないかもしれない。レオナルドSD(スポーツディレクター)はローマFWマルコ・ボッリエッロをターゲットにしているのだ。

だが、今回のマーケットで最初に大型移籍を実現させたのはマンCだ。アトレティコ・マドリーからFWセルヒオ・アグエロを獲得するのに、4300万ユーロを費やした。総投資額はPSGに次ぐ2番目で、6275万ユーロ(約70億3000万円)を払ってガエル・クリシやステファン・サビッチを獲得している。

3番手がマラガだ。すでに5800万ユーロ(約65億円)を支払っている。最も高額な選手は、ビジャレアルに2100万ユーロ(約23億5000万円)を支払って獲得したサンティ・カソルラだ。そのほかにはイスコ、セルヒオ・サンチェス、ホアキン・サンチェス、ジェレミー・トゥララン、ナチョ・モンレアル、ディエゴ・ブオナノッテ、ルート・ファン・ニステルローイ(フリー)を獲得した。さらにマラガは、3000〜4000万ユーロ(約33億6000万〜44億8000万円)クラスのビッグヒットを望んでいる。