あした(土)で震災・巨大津波から3カ月。

菅首相は「いつやめる」「一定のメドが立つまでは」……って、しっかりしてほしい。でも、不信任案が可決されて、衆院解散・総選挙なら、二ヶ月以上も政治空白は確実。
現状でさえだれが復興の責任者なのか決まっていない(原子力担当は、物理学科出身の菅さんはじめ、船頭がたくさんいる)のに……。だれが陣頭指揮を執るのでしょう。

と、ここまで書いたら、え? 総選挙、あったんですか? 知らないうちに衆院解散? 自民圧勝? 民主分裂? え? 違う、その話じゃない? オールスターのファン投票みたいなもの? え? ジュビロの前田とアルビの大島がツートップ? え? その話でもない? って、知ってて書いてますからご心配なく。

でも、震災3カ月で、被災地の状況も、「総選挙」以上に関心を持ち続けてもらいたいものです。

さて、サッカーの話。

ペルー戦、チェコ戦を通じてザッケローニ監督の新システム「3−4−3」が機能していないのではないかという論調が目立つ。

たしかに、3試合とも引き分けで、すっきり日本代表が勝ったわけではないから、十分に機能したとは言えないでしょう。しかし、「こうすれば機能するはず」という議論も見あたらない。それは、ちと寂しい。

オシムさんの時代も3バック、4バックを使い分けていましたが、現在のようなシステムについての議論(疑問)はあまりなかった。それは、考え方がシンプルかつ効果的で、実際にプレーする選手たちはもちろん、マスコミの記者さんたちも納得していたからではなかったでしょうか。

ポイントはバイタルエリアを何人で守るか。

最初に答えを書いてしまうと(本にもすでに書いてますので)、オシム監督の原則は「相手FWの数+1」で守る。つまり、相手が1トップの時は2DF(4バック)。相手が2トップの時は3DF(3バック)または2DF+1センター(ボランチ)。

どちらの場合もサイドバックはつねに高い位置にあり、4バックはじつは2バック。守備的ミッドフィールダー(阿部勇樹や鈴木啓太)がFWを挟み込んで自由にさせないという戦術でした。

オシム時代は逆サイドのサイドバックがDFラインに下がってラインを作るという守備のやりかた(ボールサイドにDFがずれる)は、あまりやりませんでした。阿部や啓太のポジション次第で3バックにも4バックにも流動的に変化する(メンバー交替なしでフォーメーションを変更できる)システムです。

ザックさんの3バックは、これとは違って(外から見た限りの観察ですが)、基本的にゴールラインの幅を3人で守る。必要に応じて逆サイドのサイドハーフがDFラインに入って、しぼる(このとき事実上4バックの隊形)方法。しかし通常は3人で守るため、かなり高度の個人能力(とくにスピードと運動量)が必要になる。

守備意識が高い状態または、相手に押される展開になると(ペルー戦)、サイドハーフがDFラインに吸収されて5バックになってしまう。(実際にそうなった)

反省してサイドハーフが高い位置を意識的にとると、こんどはバイタルエリアが手薄になり、長谷部や遠藤(とくに長谷部マコちゃん)がDFラインとの距離をつめて、応対せざるを得なくなる。(コンちゃんが孤軍奮闘しているのをサポートする)

とくにチェコ戦の場合、マイボールで吉田麻也がタッチライン近くまで開くポジションをとっていたことに注目。攻撃が続いているあいだは、これでいい。フィードもできる。しかし、相手ボールになった瞬間、バイタルにはコンちゃん(今野)しかいない、あわててしぼらなければならない、しかしマヤは間に合うかどうか、だから、しょうがないからキャプテンがカバーする、という状況だったように見えました。