ジェイムス・ブラント、作曲のインスピレーションは軍隊生活

英歌手ジェイムス・ブラント（James Blunt, 36）は2005年の「ユア・ビューティフル」でミュージックシーンに彗星のごとく現れ、聴く者の心に訴えかける曲の数々で有名になった。軍隊で6年間の任務を経験しただけに、人の感情の繊細な部分を掘り下げることに関しては誰よりも得意だと断言している。

「俺たちは人間の感情というものをとことん理解しなくちゃいけなかった。なぜなら、人は恐怖に襲われると攻撃的になる。平和維持部隊として活動していると、物事の違った側面が見える瞬間がある。通常の生活に戻った兵士は、はるかにたくさんのことに気づくことがあるはずなんだ」とジェイムスは胸の内を語っている。

そのため、元兵士は極限の感情を秘めた、とても繊細な人間だとジェイムスは力を込める。音楽業界の落差に抵抗を感じることがあるジェイムスにとって、その苛酷さは特別な魅力として映っている。メインストリームの音楽シーンでの駆け引きに比べれば、戦場の哲学のほうがまだましだとも語っている。

「兵士の仕事の純粋さは気に入っている。生と死という根本的で分かりやすい2つのことを扱っているからだ。音楽業界では認識と誤認、名声とイメージに対応しなくちゃいけない。それらは全て邪魔でしかないのさ」とジェイムスは説明している。