石黒英雄
 週刊ヤングマガジン連載、累計420万部を超える大人気コミック「彼岸島」。吸血鬼と化した住人たちに支配された彼岸島を舞台に、繰り広げられる激しいアクションは日本のみならず、世界中で支持を受けている。独特の世界観により長年実写化が実現しなかった本作を、韓国のキム・テギュン監督が映画化。ドラマ「ごくせん」や映画「携帯彼氏」等で注目を集める、俳優・石黒英雄が初主演を果たした。「彼岸島」の主人公・明には「共感する点が多かった」と話す石黒に、撮影秘話や今後の目標を聞いた。

――原作は累計420万部を超える、人気コミックですが読んでみた感想はいかがですか?

石黒:出演が決まってから読みました。テンポが良くてどんどん読めるし、ドキドキが止まらなかったです。僕が演じた明と、兄・篤との関係を中心に描かれていますが「明!がんばれ!敵を倒すんだ!」って、感情移入が出来ましたね。

――明を演じるにあたり工夫した点は?

石黒:先ほど言ったようなコミックの魅力を損なわないように、人間の強さや感情を表現出来たら、と思いました。ストーリーが進行するに従って、明が強くなっていくのは僕も嬉しかったです。

――「彼岸島」は、いままでも映画化しようという動きがありながら“実写化不可能”とされていた、独特の世界観を持つ作品ですよね。演技では苦労されたのではないでしょうか?

石黒:現実には存在しない敵への恐怖をどう出せるか、リアリティを出す為に頑張りました。襲われた時の気持ちの振り切り方とか、逃げ方とか。友達が亡くなった時の悲しさ、好きな子が誘拐された時の驚き方、そういう部分のリアルさを追求しました。

――明と石黒さんが似ている部分はありますか?

石黒:明って、優秀なお兄さんにコンプレックスを抱いていますよね。僕自身も、男3人兄弟の末っ子で、次男がデキる男だったので、同じコンプレックスを持っていたんです。今はそんなことないんですけど、明にはすごく共感できました(笑)。

――明には好きな女の子に想いを打ち明けられない、シャイな一面もありましたね。

石黒:僕も、好きな子に3年間気持ちを言えなくて、想い続けていたことがあったので、本当に役作りしなくても良いくらい似ていますね(笑)。