Brian X. Chen

(2)から続く

第2位 『Windows 7』発売記念ホームパーティー

米Microsoft社の新オペレーティング・システムである『Windows 7』は大変クール[日本語版記事]に仕上がっているというのに、マーケティングチームがこのようなプロモーション用ビデオを作ったことはまったく理解に苦しむ。

Windows 7の「発売記念ホームパーティー」[自宅や学校、飲食店などで友人や家族を招いて楽しむ「ラウンチパーティー」開催を同社は呼びかけている。開催者にはパーティーグッズが配布される]に集まったこの退屈な人々と一体感を持てるようになるには、我々自身が中性化された宇宙人になることが必要だろう。このような不気味な雰囲気を醸し出すビデオを私が見たのは、カルト教団『ヘヴンズ・ゲート』に関する研究論文を書いた時だった。そう、ご存じの方もいるだろうが、教団メンバーたちが集団自殺をする前に撮影されたビデオだ。あの時と同じ感覚が蘇る。[ヘヴンズ・ゲートは、1997年のヘール・ボップ彗星の出現の際に集団自殺を行なった]

このプロモーション・ビデオの唯一の救いは、もっと短いパロディー・ビデオがあることだ。そちらの方がずっと面白い[以下]。

とにかくこのビデオは、これまでの「最もひどい製品プロモーション用ビデオ」の中でも格別に際立っている。ただし、これよりもっとひどいものが実は存在する。同じMicrosoft社が2009年に製作したものだ。

第1位 Microsoft社の「ゲロ吐き」CM

[上はInternet Explorer(IE)8のオンライン動画広告だが、同社は批判を受けて陳謝、サイトから削除した。女性が夫のWeb閲覧履歴を見て嘔吐するシーンが出てくるが、これはIE8に搭載されている、Web閲覧履歴を残さない『InPrivate』機能の利点を宣伝するためのものだった]

私が『Internet Explorer 8』(IE 8)についての話を聞こうとMicrosoft社幹部に会った時、彼らは口を揃えて、IE 8が目指しているのは『Internet Explorer 6』(IE 6)のイメージを完全に払拭することだと言った。胸が悪くなるような嘔吐の映像は、その戦略の一部だったらしい。

残念なことに、私は今でも、肺炎で死にかかった時のことと同じくらい鮮明に、あの質の悪いIE 6のことを覚えている。そして、このゲロ吐きビデオを見ると私は、IE 8とも安全な距離を保ち、可能な限り近づかないでいようという気持ちになる。

WIRED NEWS 原文(English)

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