27日のチャンピオンズリーグ(CL)決勝でマンチェスター・ユナイテッドを破り欧州王者に輝いたバルセロナのFW、ティエリ・アンリが試合後に初タイトルの喜びを語った。レキップ紙が報じている。

 W杯、ユーロ(フランス代表)、フランスリーグ(モナコ)、プレミアリーグ、FA杯(アーセナル)など数多くのタイトルを獲得してきたアンリだが、「長い間、望んでいた。これだけが僕に不足していた」という初のCL制覇は「言葉では表せない」格別の感慨をもたらした。

 27日の決勝には、もうひとつ重要な意味合いがあった。スペインのクラブとして初の三冠(リーグ、国王杯、CL)がかかっていたことだ。「僕らはそれを成し遂げた。信じられないよ。人々はこのバルサを忘れないだろう」と偉業達成の喜びをかみしめる。

 アンリはバルサ1年目の昨シーズン、本来の力を発揮できず、サポーターやメディアから叩かれた。シーズン終了後には移籍を考えていたが、新しい指揮官となったグアルディオラ監督に説得されて残留を決めたという。「そのときに何を話したかはふたりの間にとどめておきたい。でも彼の説得で残ったのはたしかだ。そのことに感謝したい」と話す。

 アンリは今季バルサが快進撃を果たした最大の理由が、敬意を込めて「ミスター」と呼ぶこの新監督にあったと考えている。「ミスターは初日から選手たちにとって心強い存在だった。ヌマンシア戦(黒星スタートとなったリーガ開幕戦)の後でさえも、彼はすべて勝つことができると僕らに断言したよ」とその統率力を称える。

 右ヒザ十字靭帯の故障で決勝出場が微妙だったアンリ。痛みをこらえながら「歯を食いしばって」プレーした。晴れの大舞台に先発で出場することを知らされたのは、試合のわずか1時間前だったという。