下馬評通り、クラブW杯の決勝進出チームがミランとボカ・ジュニアーズに決まった。遠く離れたイタリアでもこの話題でさぞ盛り上がっているだろう、と考えがちだが、必ずしもそうとはいえない。そもそもイタリア国内の地上波TVでは試合中継がないのだ(放送は地上デジタルのみ)。

 地球の裏側で行われている、日頃縁のないトーナメントをトップニュースにする必要のないほど、サッカーの話題には事欠かない。昨日まではCL、今日はイタリア杯。週末にはまたセリエAがある。

 現在、このクラブW杯に対するミラン・サポーターの感情は真っ二つに分かれている。
 ミランのトロフィー獲得リストに新たなコレクションが加わるであろうことを純粋に喜ぶファンもいる一方で、国内リーグでの体たらくに不満がたまっている層は、低迷しているこの時期にわざわざ遠い日本まで行って試合をする価値を見出せない。

 伊紙読者欄に寄せられた、ある読者の投書を以下に抜き出してみる。ボカを「地味」と形容する心理から、イタリアで浦和やエトワール・サヘルがどのように見なされていたかは推して知るべし。これがすべてとは言えないまでも、地元ミラン・ファンの偽らざる心情であることは間違いないのだ。

『このクラブW杯には本当に価値があるのか。ボカのような地味なチームを相手にしなくてはならないこんな大会に? 仮に今季のCLで優勝できず、なおかつセリエAで5位に終わったとして、それでもクラブW杯で優勝できたからそれで素晴らしいシーズンだった、と本当にいえるだろうか?』