ユーロ2008でまさかの予選敗退を喫したイングランド代表が、新守護神の発掘に向け動き出している。ユーロ2008予選の大半で正GKを務めたのはトッテナムのポール・ロビンソン。しかし、ミスを頻発する不安定なパフォーマンスに多くの批判が集まり、予選最終戦となったクロアチア戦ではアストン・ビラのスコット・カーソンが代役を務めた。しかし、そのカーソンも失点に繋がる致命的なミスを犯し、代表正GKとしての資質が問われていた。

 そこで、現在新政権の誕生を待つイングランド代表が新たな正GKとして目をつけているのが、アーセナルのスペイン人GKマヌエル・アルムニアだというのだ。アーセナルで4シーズン目を迎えるこのスペイン人は、あと1年で英国での市民権を得る予定。さらに、母国スペインでA代表はもちろん、年代別代表にも選出されたことがない30歳のアルムニアは、間もなくイングランド代表としてプレーする資格を獲得することになるのだ。

 プレミアリーグで首位を快走するアーセナルでドイツ代表GKイェンス・レーマンからポジションを奪ったアルムニアも、サッカーの母国を代表してプレーすることについて、その可能性を否定していない。

「僕を高く評価してくれる人たちの話はちゃんと耳を傾けるようにしている。イングランド代表としてプレーする資格を得て、僕が力を貸せるなら断る理由はない。可能性を否定するつもりはないよ」

 昨シーズンはわずか1試合の出場に留まったアルムニアだが、正GKのポジションを獲得した今シーズンはプレミアリーグでも一、二を争う安定感を誇っている。かつては数多くの名GKを輩出しながら、現在は人材の枯渇に悩むイングランドが、遅咲きのスペイン人GKに守護神の座を託す可能性も大いにありそうだ。