ウェストハムのFWカルロス・テベスは、英国紙の取材に対し、英語のレッスンを一時中断していることを明かした。このアルゼンチン代表FWは、レッスン中断の理由を「来年どこでプレーしているか分からないから」と語るなど、今夏の移籍マーケットでイングランドを離れる可能性を示唆している。

 昨年夏にウェストハムへ加入したテベス。移籍当初は出場機会に恵まれず、先月にはブラジルのコリンチャンスから移籍した際に規約違反があったとして、ウェストハムが550万ポンド(約13億円)の巨額な罰金処分を受けるなど、ピッチ外で注目を集めることが多かった。しかし、シーズン終盤を迎え、プレミアリーグのスタイルにフィットしはじめると、降格争いに苦しむクラブを救う活躍をみせる。ここ8試合で6勝を記録したチームを牽引する存在となったテベスは、サポーターの厚い信頼を勝ち取った。

 しかし、英国紙『タイムズ』のインタビューに答えたテベスは、今シーズン終了後の移籍の可能性を示唆。プレミアリーグでプレーする厳しさを語る23歳は、ウェストハムがプレミア残留を決めた場合でも、他国のリーグに新天地を求める可能性を否定しなかった。

「英語のレッスンは中断した。来シーズン、僕がどこでプレーしているか分からないからね。イングランドでプレーするのは簡単ではないんだ。もちろん、言葉の問題もある。来年もここでプレーするなら、勉強を再開するけどね。ただ、ブラジルやアルゼンチンとイングランドのサッカーはまるっきり違う。僕に言わせれば、プレミアは世界一難しいリーグだ。だって、毎週のように激しく蹴られて、試合が終われば全身アザだらけになるんだから。プレミアのDFは強靭な選手ばかりだし、審判もほとんど笛を吹かない。でも、僕はあまり気にしていないよ。だって、ここでプレーしていれば、選手として成長できるだろうからね」

 テベスの獲得には、プレミアのトップクラブに加え、欧州のビッグクラブも興味を示しているとされているだけに、激しい争奪戦の勃発は必至。サッカーの母国でようやく才能の片鱗を見せはじめたアルゼンチン代表FWの去就は、今オフの注目を集めそうだ。