リーグ・アン第26節(24日)の試合で、リヨンがソショーに土壇場で追いつき、勝ち点1をもぎとった。

 2−0とリードされたリヨンは前半40分、バロシュのゴールで1点差としたが、後半41分に追加点を許し、もはやこれまでかと思われた。しかし今シーズンのリヨンは、残り15分間の得点率28%と試合終了間際の粘り強さが特徴。この試合も、後半から出場したビルトールがゴール(後半45分)、さらに3分後にペナルティーをジュニーニョが決め、同点に追いついた。

 負けないリヨンを印象づけた試合ではあったが、レキップ紙はチームの雰囲気がかつてなく悪いことを指摘している。連勝に連勝を重ねた時期の結束が失われつつあるエピソードがいくつもある。鉄壁を誇るディフェンスが3点も献上したことについては、センターバックのクリスが同じブラジル人のカサパとコンビを組めないことに不満を抱いているとも伝えられる。控え室では、審判に対する不服や、相手チームのファウルに対する批判がよく聞かれるようになったといわれ、選手が平常心を欠いている表れかも知れない。

 オラス会長の言動にも苛立ちが感じられる。会長はこの試合後、次のサンテチエンヌ戦(3月3日)がチャンピオンズリーグ(CL)ASローマ戦の3日前という日程について、報道陣に不満をぶちまけた。会長はリーグに対し、サンテチエンヌ戦を1日前倒しするよう申し入れたが、却下されている。2日にはサンテチエンヌ市内で人気歌手のコンサートがあり、警備の都合上、大きなイベントを同日には催せないというのが理由だった。オラス会長は、「控え中心のメンバーとあたるのが、サンテチエンヌの狙い」と八つ当たり気味に攻撃している。

 メディアには、ウリエ監督の統率力を疑問視する声も少なくない。そんな折り、ウリエ監督がオーストラリア代表監督の有力候補と報じられた(シドニー・サンデー・テレグラフ)。

 緊張感の漂うリヨンにとって、救いは長く戦列を離れていたビルトールとベンゼマの復帰だ。途中出場でゴールを決めたビルトールとともに、先発したベンゼマもいい動きで復帰第1戦を飾った。この二人の活躍でASローマ戦に勝ってCLベスト8に進出すれば、チームは一気に調子と結束を取り戻すに違いない。その代わりもし敗退すれば、さまざまな問題が表面化し、リーグ戦への影響が出ないとも限らない。