”アパ不倫”から一躍、ブレイク

写真拡大

“アパ不倫”をきっかけにバラエティー番組に引っ張りだこの袴田吉彦(44)。最近、本業の役者としてもいい味を出している。俳優・袴田吉彦の新たな魅力について、コラムニストのペリー荻野さんが解説する。

 * * *
 いやいや、まさかこういう形の「ブレイク」があるとは思ってもいなかった袴田吉彦。2017年、浮気相手に密会現場のホテルのポイントを貯めていたなどと週刊誌に詳細を語られるという大変な事態。しかし、そこからがすごかった。

 大みそか恒例の『笑ってはいけない』に突如出演。原田龍二とともに例の「変態仮面」に扮し、自ら「浮気相手に売られてしまった最強のだらしなさ」「不倫仮面!!」などと叫んだのだった。その後も『ダウンタウンDX』に出て「(ポイントは)貯めといたほうがいいかなと思って」と本音を言えば、松本人志に「番組的にポイントを稼いだ」と返される。『サンデー・ジャポン』でも爆笑問題太田に「おいしいところを全部持ってった」と言われる。不倫騒動で消えるどころか、存在感がめきめきと増していったのだ。

 先日はドラマ『Missデビル 人事の悪魔・椿眞子』に出演。超ロングまつげの奥から鋭い眼光で威嚇する眞子(菜々緒)が人事コンサルタントを務める保険会社の新部署リーダー甘露路役だった。仕事はできるがどこか感じが悪い甘露路は、こっそり「残業アジト」を設置し、「命をかけても!」と合言葉を言わせて部下に過激に仕事をさせていたのだ。その後、アジトに気づいた眞子と人事部長(木村佳乃)を縛り上げ、部下とともに鉄パイプで襲い掛かったものの、縄をほどいた眞子に、長い脚で思いっきり回し蹴りを食らい、「会社を辞めていただきます」と成敗される。袴田甘露路、撃沈。

 保険会社内の話で毎回、菜々緒の回し蹴りが出るというのもすごいが、袴田はその悪役にぴったりおさまった感があった。そして、もうひとつ袴田のおさまった役が、BSプレミアム『鳴門秘帖』の関谷孫兵衛役。恋しい人を助けるため、「鳴門秘帖」という秘密文書を探す主人公法月弦之丞(山本耕史)の冒険を描くこの物語で、袴田孫兵衛は弦之丞に惚れて旅の供となった女スリの見返りお綱(野々すみ花)に横恋慕して何度も彼女を襲う。
 
 お綱に跳ね返されても、鉄砲で撃たれても迫ってくる孫兵衛はほとんどストーカー。時には力で圧倒し、「もう逃げも隠れもしやしません」と連れ込み部屋で観念したかにみえたお綱とふたりっきりになったのに、彼女に眠り薬を飲まされてさっさと逃げられる。剣の達人のはずがとほほところは『ダウンタウンDX』で突っ込まれる袴田と被って面白いのだが、もっと面白いのは、この孫兵衛は「常にイカのような頭巾をかぶって絶対にはずさない男」ということだ。なにしろ、お綱といよいよベッドイン?というときにも頭巾は装着。てことは裸でも頭巾アリ? さすがにお綱も「なんで?」と思ったらしく、眠り薬で熟睡している 孫兵衛の頭巾にそっと手をかけるが、結局、めくれずじまい。いったい頭巾の下には何が…。

「変態仮面」から「変態頭巾」になった袴田。ほかの俳優には出せない味ともいえる。拍手していいのかよくわからないが、新境地開拓である。