7回途中1失点の好投で3勝目の白星を挙げたヤンキース・田中将大【写真:Getty Images】

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7回途中3安打1失点で3勝目「非常に素晴らしい登板」

 ヤンキース田中将大投手は23日(日本時間24日)の本拠地ツインズ戦で今季5度目の先発マウンドに上がり、6回2/3を3安打1失点と好投。味方打線も13安打14得点と爆発して14-1で大勝し、田中は3勝目(2敗)を挙げた。最近2試合で13失点と乱調が続いていたが、“復活”の快投。地元メディアからも「素晴らしい登板」などと称賛の声があがっている。

 田中は初回、1死二塁のピンチを背負うも、サノ、ロサリオを凡打に仕留め無失点。打線がその裏に3点を奪うと、2回は2死からケプラーに右翼線二塁打を浴びたが、ラマーレを遊ゴロに打ち取った。3、4回は3者凡退。4点差となって迎えた5回にドジャーに左前適時打を浴びて1点を失うも、6回はこの日3度目の3者凡退に仕留めた。

 7回、田中は簡単に2死を奪うも、ラマーレは四球。ここでブーン監督から降板を告げられたが、ダグアウトに戻る右腕にはヤンキースタジアムのファンから大きな拍手が送られた。2番手のグリーンが後続を断って、この回は無失点。ヤンキース打線はその後もグレゴリアスの満塁弾が飛び出すなど爆発し、大勝した。

 米メディア「ジ・アスレチック」でツインズ番を務めるダン・へイエス記者は、田中が降板したタイミングで「チャド・グリーンが、非常に素晴らしい登板をしたマサヒロ・タナカからマウンドを引き継いだ」とツイート。ESPNのコーリー・ハーベイ記者も「7回2死の場面でマウンドを降りたマサヒロ・タナカへの大きな拍手喝采。前回の苦しい登板の後に、今夜は3安打に抑えた」と伝えた。

NY紙は早速“手のひら返し”「素晴らしいことの幕開け」「支配的」

 また、前回登板後に辛辣な論調が目立ったNYメディアも早速“手のひら返し”。地元紙「ニューズデイ」は「マサヒロ・タナカの投球は(今後起きる)素晴らしいことの幕開けとなりうるのである」とタイトルをつけ「これがタナカのあるべき姿だ。先頭打者のブライアン・ドジャーへの四球で幕を開けた後に、タナカは6回2/3までほぼずっとコントロールを保っていた」と絶賛した。

 さらに「91球のうち、55球がストライクとなり、18球で空振りを奪った。彼の直球の制球は非常に改善され、それにより、(通常)あるべきスライダーとスプリットの破壊力を生んだのだった」と投球内容を細かく伝え、評価している。地元紙「ニューヨーク・ポスト」も「ヤンキースは支配的なマサヒロ・タナカを援護するためにツインズに猛攻撃を仕掛けた」と、田中と打線を称賛。「タナカは14-1と勝利した試合で堅実な働きをした」としている。

 この他、ニュージャージー州最大のニュースサイト「NJ.com」は「タナカタイム」との小見出しをつけてこの日の投球を速報し、MLB公式サイトも「タナカは2与四死球、5奪三振とし、ミネソタに本塁打を許さず(今季)5登板目にして初めて被弾0を記録した」と報じている。

 過去2試合の登板の“汚名”を返上する快投を見せた田中。まだシーズンは始まったばかりだけに、ここから巻き返しに期待したいところだ。(Full-Count編集部)