第一製薬<4505>は14日、サントリーとの合弁会社「第一サントリーファーマ」の株式のうちサントリー保有分を買い取り、完全子会社化するとともに、27日に実施する第3者割当増資200億円全額を引き受けると発表した。第一製薬は2002年10月に同合弁会社の3分の2の株式を保有し、完全子会社化も視野に入れていた。今回、第一製薬は残り3分の1の株式を100億円でサントリーから買収。研究開発先行型の同社は研究開発投資によって財務面で損失が生じているため、10月1日付けで完全子会社化する新会社「第一アスビオファーマ」を設立する前に第3者割当増資によって財務体質の改善を図る。

  「第一サントリーファーマ」は、不整脈治療薬「サンリズム」と急性心不全治療薬「ハンプ」の2つの治療薬の売上高が200億円に上る収入を上げているほか、研究開発にも一定の成果がみられていたため、第一製薬では、同合弁会社の営業網のパイプから研究開発までを取り込む目的から、完全子会社化を目指していた。

  また、これに伴い、2006年3月期の業績予想を修正した。連結業績では、中間期(4−9月期)は、売上高を1620億円から1640億円に、経常利益を270億円から300億円に、最終利益を150億円から170億円に、通期(4−3月期)は最終利益を210億円から300億円に、それぞれ上方修正した。個別業績では、買収関連経費を特損として計上する関係で、中間期最終利益が165億円から60億円に、通期最終利益が345億円から200億円に、それぞれ引き下げられた。

  同社の株価は、前日比5円(0.2%)安の2550円と続落した。 【了】