旭山動物園/2017年9/30時点のアムールヒョウの子供たち(左がオス、右がメス)/(C)旭川市旭山動物園

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ここ最近、よくニュースで見かけるのが上野動物園の赤ちゃんパンダ、“シャンシャン”。よちよちと動き回る姿、たまりませんよねぇ。しかし! 旭山動物園でも、すてきなベビーが誕生してるんですよ。今年、2017年8/12・13に生まれた、アムールヒョウのツインズです!

旭山動物園/8月のエゾシカ(オス)。エゾシカは夏、鹿の子模様になる/(C)旭川市旭山動物園

お母さんは今回が初産となる「ルナ」。通常、アムールヒョウの繁殖期は1〜3月ですが、今回は通常より遅く5月に交尾、約3か月の妊娠期間を経て、8月に出産しました。放飼場デビュー時期は未定ですが、会えるのが楽しみですね!

アムールヒョウは冬の期間に繁殖期を迎える動物ですが、この繁殖期や妊娠期間というのは、動物によりけっこう違いがあるんです。たとえば今の時期、繁殖期を迎えている動物がエゾシカとトナカイ。

繁殖期になると、見た目や行動に変化が現れます。まずはツノ。どちらも繁殖期に向けてツノが生えてきますが、エゾシカの場合、ツノが生えるのはオスのみ。毎年、繁殖期が終わる春には自然と抜け落ち、初夏にかけて伸び始め、秋になると完成! という流れなのだそう。

一方、トナカイの場合はオス、メス、両方ともツノがあります。トナカイもエゾシカ同様、繁殖期が終わるころにツノが抜け落ちますが、オスのツノはメスより早く抜けるそう。

どうして繁殖期になるとツノが生えるのかというと、メスを巡る争いが始まるから。この時期、エゾシカとトナカイのオスは気性が荒くなり、エゾシカはツノをぶつけ合ったり、ほかのオスを追い払ったり、強さや大きさをメスにアピールする行動をとるそう(トナカイの場合、旭山動物園には交尾可能なオスが一頭と、今年の6月に生まれた仔のみのため、このような行動は見られないようですが)。だから、大きく立派なツノがあるオスのほうが、有利なのですね。

エゾシカもトナカイも、交尾時期は11月頃まで。妊娠期間はエゾシカが約230日、トナカイが約210日。どちらも交尾が成功すれば、6〜7月に出産シーズンを迎えるそうですよ。

ちなみに、旭山動物園で一番妊娠期間が長いのはキリン。出産まで約15か月=450日もあるとは、驚きです!

というのも、動物は体が大きいほど妊娠期間が長いらしく、一番長いのはゾウ(旭山動物園にはいません)で、妊娠期間は約21か月=630日なのだとか。

また、キリンには特に繁殖期というものがなく、2週間に1回、約24時間、発情の周期があるそう。旭山動物園でもオスの「ゲンキ」、メスの「結」に発情のタイミングがあれば同居させているようですよ。交尾がうまくいくかどうか、ゆっくり見守っていきましょう!

※写真提供:旭川市旭山動物園

【北海道ウォーカー/出村聖子】