エコカーのHV、EV、PHV、PHEVって、何が違うの? 今さら聞けないこと

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低燃費で排ガスも少ないエコな自動車として人気なのが、ハイブリッドカー(HV=Hybrid Vehicle)だ。

国内でHVを牽引するトヨタのプリウスは、2016年上期の新車販売台数が14万2562台とトップとなっている。この期間に販売台数が10万台を超えた車種は、国内ではプリウスが唯一だ。

プリウスは、この冬にも第4世代モデルをベースにした新型「プリウスPHV」を発売する。最近耳にすることが多いPHVだが、HVとは何が違うのだろうか。

●コンセントからも充電できるPHV
HVとPHV以外にも、EVやPHEVなどの、キーワードを耳にすることは多くなった。
キーワードが増えた分、違いがわかりにくくなった。

ということで。それぞれの意味を知っておこう。

・「HV」(Hybrid Vehicle)
トヨタのプリウスや、ホンダのフィットなど、街でも見かけることが多いハブリッドカーのこと。
従来から自動車の動力として使われていたガソリンエンジンと併せて、電気モーターも搭載している。
走行中やブレーキをかけた停止時のエネルギーを利用して発電し、バッテリーに充電している。そして充電した電力を利用して電気モーターを動かすこともできるので、走行条件に応じてエンジンとモーターを切り替えたり、両者を併用したりする。

・「EV」(Electric Vehicle)
日産のリーフなど、電気自動車のこと。
動力源として電気モーターのみを搭載し、エンジンは搭載しない。走行するにはバッテリーの充電が必要となる。
各地にできはじめている充電スポットや、家庭用電源から充電を行うことができる。電力のみを使用するため、排気ガスが出ないメリットがあるが、航続距離を伸ばすための課題がある。

・「PHV」(Plug-in Hybrid Vehicle)
・「PHEV」(Plug-in Hybrid Electric Vehicle)

PHVは「プラグインハイブリッド」、PHEVは「プラグインハイブリッド電気自動車」のこと。
実は両者に違いはなく、基本的にはメーカーの呼び方が違うだけと考えていい。

ベースはHVなので、エンジンと電気モーターの両方を動力源として搭載している。
HVとの違いは、従来のHVが走行しながら充電していたのに対し、「プラグイン」は外部のコンセントから充電可能なことだ。
外部充電により、従来のHVより電気モーターによる航続距離を伸ばせて、ガソリン消費量を減らせるメリットがある。
さらに、エンジンの利用により電気自動車よりも長距離の移動が可能なのだ。

HVとEV両方のいいとこ取りと言えるが、車体価格はそのぶん高くなってしまう。
メルセデス・ベンツ、BMW、ボルボなどの海外メーカーも続々と、プラグインハイブリッドモデルを投入している。

そのほかにも、トヨタは燃料電池車(FCV)のミライを販売開始している。
燃料として水素を搭載し、酸素と化学反応させることで電気を作る仕組みだ。
また、ガソリンエンジンを使用しながら、より低燃費の走行を可能にする技術を採用するメーカーがあるなど、各メーカーはさまざまな方法でエコカーの開発を進めている。