まさかの時、強く冷静でいるための方法【災害時のココロ術#1】
熊本で被災された皆さまにおかれましては、心よりお見舞い申し上げます。
今回は、心理カウンセラーの筆者が、わずかでもお役に立てることを願って、災害時など気持ちが翻弄される中で、何を意識すれば強く冷静にいられるかについてお伝えします。
■落ち着くためにまずは「深呼吸」を
実際に災害に遭遇しているさなかは、感情のコントロールも何もありません。身の安全を第一に、どうぞあきらめず生きることに執念を燃やして下さい。
しかし、心細く不安定な思いにとらわれる時間はその後も長く続くでしょう。
パニックしている状態や不安や恐怖に支配されている状態から、自分を解放するのに一番いい方法としてご提案したいのは“深呼吸と瞑想”です。
深い呼吸をすることで、感情に支配されにくくなり集中力を高めます。
心が落ち着いたらはじめて、今の自分に出来る事は何だろうという冷静な思考に入ることができるのです。
■次に「自分にできること」を考えてみる
恐怖でいっぱいになった時、そこから少しでも自分の心持ちをずらす方法は、あえて何かあったら“自分がこの人たちを守るのだ”という考え方をすることです。
引き受けるものの量を大きくすることで、自分の器を大きくするのです。
このようにすることで、冷静さと客観性を取り戻せる可能性があります。守る物がある母親がとても強く毅然とした存在になれるのと同じです。
あなたの周りに自分より弱いお年寄りや子どもたち、赤ちゃんを抱えたお母さんはいませんか?
状況が状況ですから、人のせいにしたいことがでてくるのは当然です。ですが、やはり依存は弱さを生みます。
1つ引き受けることが出来たなら、1つ大きな自分になったと思ってください。
■被災地以外にも味方はたくさんいる
不安で押しつぶされそうになるかもしれません。しかし、近い未来に起きるであろう問題から目をそらさず、その対処法を1つでも多くひねり出して下さい。もしも携帯を使えるのであれば、仲間に助けを出すのも1つの方法です。
かつて中越地震の時、筆者はスタッフと一緒に、赤ちゃんのおむつとミルクを山ほど送った経験があります。被災地以外の場所で、何か力になれることはないかと考えあぐねている人も大勢いるのは事実です。
被災された皆さまに1日も早く笑顔が戻ることを、心から願ってやみません。
【筆者略歴】
※ 波登かおり ・・・ 心理カウンセラー。『自己肯定観向上プログラム』を確立。セルフコントロール“自分の元気の作り方”を提案している。著書『1分間元気チャージ』幻冬舎他。
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