By 紫流

イギリスにあるインペリアル・カレッジ・ロンドンの研究者たちが、世界186カ国の合計約2000万人にも及ぶ男女のボディマス指数(BMI)データを調査し分析したところ、BMI30以上で肥満とされる人の数が、BIM18.5以下で痩せ型とされる人の数を上回ったことが判明しました。

Images in Trends in adult body-mass index in 200 countries from 1975 to 2014: a pooled analysis of 1698 population-based measurement studies with 19·2 million participants - The Lancet

http://www.thelancet.com/action/showFullTextImages?pii=S0140-6736%2816%2930054-X

The World May Have Too Much Food - Bloomberg

http://www.bloomberg.com/news/articles/2016-03-31/the-world-may-have-too-much-food

More obese people in the world than underweight, says study - BBC News

http://www.bbc.com/news/health-35933691

以下のグラフは1975年から2014年までの各BMI帯が全体のどれくらいを占めているのか、その割合の推移を示したグラフです。痩せ形とされるBMI18.5以下(Underweight)の人は1975年から緩やかに減少していのに対して、BMI30以上(Obese)の人は1975年から2倍以上に増えているのがわかります。具体的な数字にすると、BMI30以上の人は1975年に1億500万人だったものの、2014年には6億4100万人にまで増加したそうです。



世界における平均BMIの推移を見てみると、男性(左)女性(右)共に25付近まで上昇しているのがわかります。



以下のグラフはヨーロッパ諸国および英語圏の国における平均BMIの変化を示したグラフです。左の男性、右の女性共に、アメリカやカナダが含まれる緑の「高所得の英語圏の国」が他の地域より突出しています。



アジア・オセアニア地域における平均BMIの変化はこんな感じ。オレンジ色の「ポリネシア、ミクロネシア地域」が突出していますが、日本が含まれる水色の「高所得のアジア太平洋諸国」は男性だと下から3番目、女性だと下から2番目と、世界的に見てもかなりスリム体型を維持している模様。



世界におけるBMIの推移を男女別に見てみると、ピンクの女性、青の男性ともに上昇しているという結果です。



女性の肥満(BMI30以上)、痩せ型(BMI18.5以下)が全体に占める割合は、1975年こそ痩せ形が15%で肥満が6%となっていますが、2014年には痩せ形が9.5%で肥満が15%となり、肥満が痩せ形を大きく上回りました。



男性の場合だと、2014年は肥満が11%で痩せ形が8%となっており、女性ほど肥満と痩せ形の差が開いていません。



これは1975年における世界の平均BMIを国ごとに示した図です。オレンジ色のBMI25くらいの国がほとんどで、それ以外の国は25以下になっていますが……



2014年になると地図の色が全体的に濃くなり、BMI20後半から30以上の国が多くなっていることがわかります。調査によれば、肥満が多いのは中国とアメリカとのことです。



調査結果を受けてインペリアル・カレッジ・ロンドンのマジド・エズアティ教授は「重度の肥満が蔓延しています。低体重は肥満の2倍以上いたのにも関わらず、この40年で肥満が低体重よりも多くなりました。今回の結果が肥満を個人の責任から政府の責任とし、何らかの対応がとられることを願います」と述べています。