「うちの本棚」第二十八回はさべあのまのデビュー直前作『シングルピジョン』をご紹介いたします。さべあのまの作品を初めて読んだのは、みのり書房の「ペケ」だった。アールヌーヴォー調の絵柄が印象的で、直後くらいに神保町の書店で見つけたのが、迷宮から刊行された短編集『シングルピジョン』だった。ここに納められた作品は「迷宮」に発表されたものを中心にしていて、デビュー前夜の作品集といったものである。高校生から大