「うちの本棚」、今回は幻のSF劇画『オーム伝』をご紹介いたします。『オーム伝』は、昭和四十二年から四十三年にかけて光伸書房の「ハイ・コミックス」という新書版単行本で描き下ろされた、関一彦の未完のSF漫画である。タイトルは正確には『二十一世紀の日本オーム伝』といい、このタイトルからも判るとおり、舞台は二十一世紀の日本であるが、その社会は資本主義や科学文明が進み、大企業や国家の重要な職務につくもの