午後6時の北京。太陽が肉眼で見える   (Photo:©Alt Invest Com)

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 中国不動産バブルの旅に最後に、ひさしぶりに北京を訪れた。北京空港についたのは午後6時過ぎだが、日本とは1時間の時差があるのでまだ太陽は西の空に残っていた。

 下の写真はタクシーから撮ったものだが、夕焼けにしては太陽が高く、月にしては明るすぎる。大気汚染のため、北京では夕方になると太陽が肉眼で見られるのだ。

 大気汚染の基準として広く知られるようになった粒子状物質(PM2.5)の基準は、日本では1日の平均値が35(1立方メートルあたり35マイクログラム)以下とされているが、この日のPM2.5の値は200程度。中国では汚染の度合いが6段階で示され、危険とされる「重汚染」は300超だから、これくらいはまだマシということなのだろう。

 実際、北京の知人からは「今日は快適でよかったですね」といわれた。マスクをしているひとは誰もいない。「400を超えると、さすがにちょっとマズいかな、と思う」のだそうだ。

 今回は中国の鬼城観光が目的だったのだが、北京には誰もがすぐに思いつくようなゴーストタウンはない。その理由は前回の上海と同じで、ここが中国で特別な都市だからだ。

[参考記事]
●中国の大都市・上海は不動産バブルとは無縁なのか?

 北京ではいまもものすごい勢いで新しいビルが建てられている。だが「中華世界」の中心であるこの都市には、それを吸収するだけの富と人が集まってくるのだ。

 そこでここでは、北京の光と影を歩いてみたい。

日本大使館裏手のバラックに住む農民工たち

 最初は、日本大使館に近い朝陽公園北側にできた大型ショッピングモールSORANA(藍色港湾)。メーデー(労働節)の連休に入るからか、水碓湖を見渡すレストランは満席で、美しくライトアップされたアーチの下を恋人たちが手をつないで歩いている。

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