キャプテンマークを巻いたカリアリ戦で、2分間でイエロー2枚を受け退場となった長友は非難を浴びた。 (C) Getty Images

写真拡大 (全2枚)

 アギーレ監督率いる日本代表が二度目のテストマッチ2連戦に臨む。10月10日に新潟でジャマイカ戦、同14日にはシンガポールでのブラジル戦に挑む。小林、昌子、塩谷ら、さらにフレッシュな顔ぶれを加えた今回の日本代表は、どんなサッカーを見せるのだろうか。ジャマイカ戦を翌週に控え、選ばれたメンバーのうち、欧州でプレーする11人の状態をチェックする。
(※今季成績は10月2日現在)
 
【写真】ジャマイカ戦、ブラジル戦に向けた日本代表23人
 
GK
川島永嗣(スタンダール・リエージュ)
今季成績:9試合・18失点
 
 ここまでリーグ戦全9試合、チャンピオンズ・リーグ予選4試合、ヨーロッパリーグのグループステージ1試合に出場。オーステンデや昇格組のムスクロンに大量5ゴールを許すなど、リーグ戦9試合で18失点を喫しているのは、主力を放出した最終ラインの顔ぶれが変わった影響だろう。9月28日のリエーセ戦では、失点を巡ってCBシマンと激しい口論を繰り広げるなど、DF陣との関係がいまひとつしっくりいっていないようだ。
 
DF
長友佑都(インテル)
今季成績:4試合・0得点
 
 キャプテンマークを巻いた9月28日の5節カリアリ戦は、開始から27分で退場。25分からの2分間でイエローカードを2枚受ける失態を犯した。その後、前半終了までに3点を奪われたインテルは、最下位だった相手に1-4の惨敗。長友は戦犯として非難された。
 ここまで5節を消化したセリエAで、先発フル出場は1試合。新加入のドドはマッザーリ監督が待望していたレフティーのWB/SBで、ジョナタンもお気に入りだ。やや先行きに不安を残すシーズン序盤となっている。
 
DF
吉田麻也(サウサンプトン)
今季成績:4試合・0得点
 
 開幕から3試合連続で先発フル出場も、移籍期限最終日に加入したベルギー代表のアルデルワイレルドに定位置を奪われサブに降格。このアルデルワイレルドと主将フォンテに次ぐCBの3番手という位置付けだ。
 アルデルワイレルドの故障欠場で先発に返り咲いた9月20日の5節スウォンジー戦では背後からのチャージで足首を痛めて前半で交代を余儀なくされると、続くリーグカップのアーセナル戦、6節のQPR戦ともにベンチからも外れ、コンディションに不安を残す。
 
DF
酒井高徳(シュツットガルト)
今季成績:6試合・0得点
 
 フェー新監督の信頼を勝ち取り、左SBのレギュラーとして開幕からの全6試合に先発出場。敵陣の最深部までアグレッシブに攻め上がるシーンが多く、体力・精神面の充実ぶりをうかがわせる。課題は本人も口にしているクロスやラストパスの精度だろう。シュツットガルトのチーム状況(15位)が芳しくないなかで、酒井自身のパフォーマンスは悲観すべきものではない。
 
MF
細貝萌(ヘルタ・ベルリン)
今季成績:5試合・0得点
 
 コンディションは悪くなく、いかなる試合でも90分間を通してボールハントに精を出している。守備の負担が大きいぶん、攻撃面での貢献度はそれほど高くなく、4-1-4-1のアンカーとしてのタスクを忠実に遂行している印象だ。調子とパフォーマンスの波は小さく、昨シーズン同様、ヘルタ・ベルリンにとって不可欠な存在となっている。
 
MF
田中順也(スポルティング)
今季成績:1試合・0得点
 
 8試合で5得点・2アシストとアピールに成功したプレシーズンから一転、8月16日に開幕して6節を消化したリーグ戦の出場はわずか1試合。2節アロウカ戦で13分間ピッチに立っただけだ。その13分間でアシストを記録したが、4節以降はベンチにも入れていない。同じポジションのウイングにマンチェスター・Uからポルトガル代表のナニが加わり、追いやられた格好だ。
MF
香川真司(ドルトムント)
今季成績:4試合・1得点
 
 8月31日のドルトムント復帰後、リーグ戦4試合に出場。そのうちフル出場は1試合(5節のシュツットガルト戦)のみに留まっている。もっとも、試合勘を取り戻しつつあるのは確かだ。サイドではなく本職のトップ下を務め、高いアジリティーと技術を活かし、チームの攻撃にアクセントを加えている。ただし、ファーストタッチやフィニッシュのミスが散見されるなど、ドイツ中を席巻した11-12シーズン当時ほどの凄みはまだない。
 
FW
岡崎慎司(マインツ)
今季成績:5試合・5得点
 
 6節を消化したブンデスリーガの得点ランクで、単独トップの5ゴールを叩き出すなど絶好調。高い決定力もさることながら、身を粉にしたポストワークや精力的な動き出しも申し分がなく、マインツのチームメイトであるオーストリア代表MFのバウムガルトリンガーは「シンジの代わりを務められる選手なんていない」と絶賛する。9月26日のホッフェンハイム戦はふくらはぎ痛で欠場したものの、コンディション次第ではブラジル相手にも大きな脅威となりうる。
 
FW
柿谷曜一朗(バーゼル)
今季成績:6試合・2得点
 
 ここまでリーグ戦6試合に出場して2ゴール・1アシスト。R・マドリー戦に途中出場してチャンピオンズ・リーグの舞台にも立った。2ゴールは、4節のチューリヒ戦と7節のヤングボーイズ戦。覇権を争うライバルとのビッグマッチで奪うという勝負強さを見せている。スーパーサブとして地歩を固めつつある。
 
FW
本田圭佑(ミラン)
今季成績:5試合・3得点
 
 開幕戦の開始7分に決めた先制弾は、ミランの今シーズン初ゴール。メネーズを偽9番とする4-3-3の右FWで躍動し、開幕5試合で3ゴールを奪う好スタートを切った。オフ・ザ・ボールの動きでゴール前のスペースを突けば、労を惜しまず守備に奔走するなど、充実ぶりがうかがえる。ただ、3節ユベントス戦では相手のCBとWBに抑えられ、F・トーレスを1トップに入れた4-2-3-1を用いた9月28日のチェゼーナ戦では、CKからアシストを記録したものの、流れの中で決定的な仕事はできなかった。
 
FW
ハーフナー・マイク(コルドバ)
今季成績:5試合・0得点
 
 6節を終えたリーガ・エスパニョーラで5試合に出場。開幕から4試合はスタメンでピッチに立ったが、5節バレンシア戦はベンチスタート、6節エスパニョール戦はベンチ外だった。長身を利したヘディングやポストワークなど随所に持ち味を見せているものの、肝心のゴールがなく、チームも3分け3敗と未勝利で最下位に沈む。