中国の自動車情報サイト・汽車之家は25日、2013年に米国でもっとも売れた自動車ランキングトップ10のうち、フォードやシボレー、ダッジなどのピックアップトラック以外はすべて日本車だったとし、米国人はなぜ日本車を好むのかと論じる記事を掲載した。

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 中国の自動車情報サイト・汽車之家は25日、2013年に米国でもっとも売れた自動車ランキングトップ10のうち、フォードやシボレー、ダッジなどのピックアップトラック以外はすべて日本車だったとし、米国人はなぜ日本車を好むのかと論じる記事を掲載した。

 記事は、13年の米国における自動車販売台数ランキングと12年のランキングでは順位に変動はあるとしてもほぼ同じ顔ぶれであると紹介、「米国人も自動車を購入するうえでは大きな流れに従うのが好きなようだ」とする一方、「中国人と違う点は、米国人は日本車を好んでいるという点だ」と論じた。

 続けて、なぜ米国人は日本車を好むのかと疑問を呈し、「米国人は日本車の鋼板が薄いのを知らないのだろうか」と、中国で広がっている「誤解」を提起したうえで「ここで中国人が抱く日本車に対する誤解を解かなければいけない」と伝えた。

 記事は中国人が抱く1つ目の誤解として、「米中で販売されている日本車の質が違う」という点を挙げ、メーカーが同車種の自動車を国や地域ごとに区別して組み立てを行うことは規模の経済によるコスト低減に反する考え方であり、「企業はそのような非理性的な行動は取らない」と主張。さらに中国人が重要視する車重について、トヨタの2012年版カムリでは中国版のほうが米国版よりもむしろ重い作りになっていると論じた。

 また、「米国の日本車がほかのブランドより安い」、「米国人は日本車にしか興味がない」といった考え方も誤解であるとし、こうした誤解は米国人と中国人とでは自動車のブランドと品質に対する認知度合いが大きく異なるために存在するとの見解を示した。

 続けて、米国人が日本車を好む本当の理由はシンプルだとし、1つ目の理由として「米国の一般消費者が理性的」であることを挙げた。一般消費者が限りある収入のなかから自動車を購入する際に、実用的でメンテナンスコストが低い自動車を選ぶのはごく自然なことと指摘した。

 また、2つ目の理由として「米国の自動車文化が成熟していること」を挙げ、「米国人にとっては自動車は生活におけるツールの1つでしかなく、自分自身のニーズに基づいて自動車を選択している」と主張、自動車がどの国のメーカーであるかなど、さほど気にしておらず、中国人のようにメンツや民族感情などには左右されないと論じた。

 3つ目の理由として記事は、米国市場を重視している日本の自動車メーカーによる努力の結果と指摘。「日本の自動車メーカーは多額の資金を投下し、米国人消費者の心理を研究している」とし、米国人が好む自動車を作り出せたことも何ら不思議なことではないと論じた。(編集担当:村山健二)