「テラスハウス」公式サイトより

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テラスハウスはかつての人気恋愛バラエティ番組「あいのり」を彷彿とさせます。「あいのり」は“ラブワゴン”というピンクのワゴン車に男女が乗り込み、世界各地をめぐる中で生まれる、さまざまな恋愛模様を描いた番組でした。男女共同で日々を過ごす──「テラスハウス」によく似たコンセプトだったように思います。

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さて、「テラスハウス」の定員は男女3人ずつの計6人。対して「あいのり」のラブワゴン定員は男4人の女3人でした。「あいのり」のほうが男が一人多かったのです。なぜ男が多いの?と疑問に思ってしまいますよね。これが今回のポイントです。

いわゆる、「男が多い」ということは(かつて男2女1の)ドリカム現象です。ドリカムに限らず、ミュージックグループは不思議なことに男のほうが多くなっているらしいのです。
(参考:「私が、答えます」竹内久美子著より「ドリカム型トリオの謎」)

たとえば、いきものがかり、AAA、サカナクション、SEKAI NO OWARIなどなど、全部、男のメンバーが多くなっています。それは本人たちがグループを結成したときに意識してそうしたのではなく、「気づいたら自然にそうなってしまっていた」のでしょう。

あいのり」の企画者は意識的だったのかわかりませんが、これは動物行動学的にも正しかった、というわけ。

テラスハウス」でほとんどカップルが成立しない(宮城大樹&今井華の一組だけ)大きな理由のひとつには、男女同数だからというのがあるかもしれません。

それと「密室効果」が利かない、下界に出てしまうので、ほかに刺激がある。同棲と同じで生活をしてしまうので、どうしても生活感が出てしまう。家に帰ればいるので、わざわざ交際を申し込まなくてもいい気分になる……モデルや選手など肩書のある人では、一歩ハウスから出れば恋のチャンスは多いですし「ここで見つけないと!」と必死にはならないのでしょう。

■両番組の違いをまとめてみました。

テラスハウス】                
・出演者がモデルや令嬢、選手、ミュージシャンなど“手の届きそうで届きにくい人”で、リアリティに欠ける。ここでカップルにならなくても生きていけそう。恋はほかのところでもすぐにできそう。
・炊事など家事をするので家族のようになる。  
・整った家が用意されている。    
・基本的に自由。                
・日本なので生活環境に不安なし。        
・下界での刺激あり。              
・自由に生活をやめたりできるので切迫感なし。  
・とくに恋愛がメインではない。         
あいのりを知らない世代が見ている。         

あいのり
・多数が公募から選ばれた一般人。恋がしたい人たち。
・炊事はしないがみんなで協力して宿を探したりご飯を食べたり、旅の醍醐味がある。
・貧乏旅行で感情移入できる。
・狭い車の中で密室。狭いのでパーソナルスペースに入ってしまう。密室効果。
・知らない土地での不安。協力しようという意識がいつも高い。
・いつも一緒なので他の娯楽や刺激、恋愛以外の楽しいことに気が移ってしまうことはない。
・告白してカップルにならないといけないプレッシャー。
・必ず恋をし帰国しなければならない。

など、同じようですがこんなに違います。

■男女同数ではない、あいのり……。

女は選ぶ性、男は選ばれる性なので必然的にそうなるらしく(女は産む数が決まっているので質のいい遺伝子を厳しく選ぶ。男は繁殖できる数は決まっていない。自分の遺伝子を多く撒きたいため、いろいろな女からチャンスをつかもうとするので選んでいる暇はない。ということは、女から選ばれる性。)男が多くなっている、とはこういうことだそう。

男女のミュージックグループに限らず、仲良しグループ交際、飲み仲間、サークルなどはこの法則にのっとっているはずです。思い出してみてください。男がちょっと多くありませんでしたか?確かに、飲み仲間との会合でも、合コンではない限り毎回女子が少なかったように思います。そんな法則から外れている「テラスハウス」。カップル成立率が低いのはこのせいだったのかも。

番組開始から何か月経っていて、一組しかカップルになっていないのは確かに少ないですよね。変化をつけるために成立率をあげたければ、男を一人増やしたほうがよくなるかもしれません。

番組内で意味深モードになったりはするものの、人生相談をしあったり、とりとめのない話をしたり友情をはぐくむような部分も見えます。どうやら番組の方向性は恋愛がすべてではなさそう。とすると、恋愛要素がそれほどいらないなら、男女の数は今まででいいかも?