1月30日の旧正月(春節)を前に、期末試験が終わった陝西省安康市の中学校前にある文具店では、生徒向けに通知表を書き換えるサービスが最盛期を迎えた。中国メディア・中国新聞社が21日伝えた。

 「何点にするのか」、「英語は77点、数学は103点、物理は47点で」、「ああ、英語の点を増やし過ぎた。やり直します」。店内に入ると、数名の生徒が店員とこんなやり取りとする風景を見ることができる。生徒の話では、わずか0.5元(約8円)でニセの通知表を1枚作ってくれるという。

 なぜそのようなものを作るのか、という疑問に対して、生徒たちは「ママを失望させたくない」、「新年を無事に迎えたいのと、親にほめてもらいたいから」などと回答した。サービスを利用した生徒からの「口コミ」で、新たにやって来る生徒もいるようだ。

 一方の文具店側は、「そんなものは売っていない」の1点張り。取材中は生徒が通知表を求めてやってきても「ない、ない」と追い返していた。このような「サービス」について市民の多くは、学校と家庭が子どもの成績ばかりを気にする風潮を改めなければならないという認識を持っているようだ。

 合法か否かというよりも、ビジネスとして成り立つかが重んじられる風潮が、中国ではなおも健在であることが伺える。問題なのはニーズが存在することであり、ニーズの発生源たる保護者や学校の「成績至上主義」が改められない限り、ニセ通知表づくりは中国の市井における風物詩として生き続けていくことになるだろう。(編集担当:今関忠馬)