猫ってなんで「猫」っていうの?-”よく寝る””ネズミを捕まえる神”など諸説

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猫はなぜ「猫」と呼ばれているのか、その語源は何なのか気になる方もいるかもしれません。そこで今回は、猫が猫と呼ばれる理由について迫ってみましょう。

■猫と呼ばれる由来

猫が猫と呼ばれるようになった理由は諸説あります。

・「寝子」+「熊」……よく寝る動物であるという意味

もともと猫は「寝子」と書かれていたという説が有力ですが、「ネコマ(寝熊)」と呼ばれていたとも言われています。肉食である動物は「獣」や「熊」とされることが多く、猫はまさにそれにあたります。猫の睡眠時間は14時間から16時間ほどとされており、余計な体力を消耗しないために狩りを行う以外のほとんどの時間を寝てすごすのです。

・「ネズミ」+「熊」もしくは「神」……ネズミを捕まえる動物(神)の意味

猫は穀物や紙を荒らすネズミを捕らえることを目的として飼われたため、それらを守る猫は心強い「獣」や「神」だったのでしょう。

・「ネ(鳴き声)」+「コ(接続語)」……ねうねうと鳴く動物の意味

犬を「ワンコ」と呼ぶことがあるように、鳴き声の後に「コ」をつける呼び方が多いと考えられています。今だと「ニャンコ」のほうがあっているかもしれません。

■猫と表記されるようになったのはいつなのか?

猫の描写が確認できる最古の日本語文章は『日本霊異記』ですが、本物の猫の描写が記録として表記されたのは、889年の宇多(うだ)天皇による黒猫の飼育日記です。その後平安時代には数多くの和歌や物語に登場することになり、かなり古くから「猫」の呼び名が定着していたことがわかります。

■猫が「タマ」と呼ばれる理由

飼い猫として飼われるようになると名前を猫につけるようになりますが、猫といえば「タマ」が定番。実はこれも諸説あります。

・「宝玉」のように珍重されたため

・「玉」のように丸くなって眠る、「玉」でよく遊ぶことから

・猫を「霊」(魂)的な存在と考えたから(英語圏では猫はなかなかな死なない生き物として考えられており、それにまつわることわざなども多数存在しています。)

・猫に女性の名前をつけることが多かった(おみつ、おかよ、お「たま」)

■漢字の「猫」の由来は

漢字の「猫」は、部首に獣偏が使われています。苗は作物であることから、作物を守る獣の意味で「猫」になったと考えることができます。また一説では「苗」を体がしなやかと言う意味で用いたり、鳴き声を表しているという意味で用いたりしているともいわれています。ちなみに苗は音読みで(ビョウ)、猫も音読みで(ビョウ)と読む点も一致しています。