FBI、「無人機で米国内を監視」認める

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カリフォルニア州アラメダ郡での採用が検討されている監視用無人機。画像は別の英文記事より。 Photo:@drones

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米連邦捜査局(FBI)のロバート・モラー長官が6月19日(米国時間)、小型無人機(ドローン)で米国内を監視していることを認めた。



この事実は、FBIによる監視に関する米上院司法委員会の公聴会で明らかになった。FBIは米国人の通話記録に関するメタデータや個人データを、グーグル、フェイスブック、マイクロソフトなどの企業から入手していることが発覚して、米国家安全保障局(NSA)とともに守勢に立たされている。



無人機で米国を監視しているのはFBIだけではない。複数の米連邦政府機関が、国境の調査や山火事との闘いや、ハリケーン襲来後のダムの調査等に無人機を使用している。地方の多くの法執行機関も、無人機を各地に配備している



公聴会では、チャック・グラスリー上院議員(共和党、アイオワ州選出)による無人機に関する質問に対して、モラー長官は「プライヴァシーへの影響はごく小さい。ほとんどないと言っていい」と答えた。



グラスリー議員:「FBIは、どういう目的で無人機を保有または使用しているのですか?」



モラー長官:「監視目的です」



グラスリー議員:「FBIは、米国内での監視のために無人機を使用しているのですか?」



モラー長官:「はい。しかし、使用は最小限に抑えています。めったに使用しません」



続いて、ダイアン・ファインスタイン上院議員(民主党、カリフォルニア州選出)が、無人機は米国人にとってプライヴァシーへの大きな脅威だと述べた。FBIによる無人機使用に関連して、米国人のプライヴァシー保護のためにどういう「制限」を設けているのかとファインスタイン議員に質問され、モラー長官は不意を突かれた。



それでもモラー長官は、無人機プログラムは「適用範囲が非常に狭く、特殊なケースに絞られている」と答えた。



匿名の情報筋がCNNに語ったところでは、FBIは1月29日にアラバマ州で起きたスクールバス誘拐事件で、人質が閉じ込められていた現場の監視に無人機を使用したという。この事件でFBIは事件発生から7日後、犯人が立て籠もっていた地下壕で救出作戦を展開し、人質となっていた5歳の少年を救出した



※米国内での無人機利用が拡大してきているいっぽうで、上空で監視・偵察が行われているとき、その飛行音で検知できる装置を開発するための資金を募るキャンペーンも行われている(日本語版記事)。



英BMS社の無人機。Photo:BMS




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