メルキー・カブレラの初球、2球はあらぬ方に行った。また制球なんか、と思ったが、その通りだった。
トロント・ブルージェイズはダルビッシュには苦手なチームではある。5安打2本塁打を打たれているエンカ―ナシオン、被安打率5割のラスムス。勢い神経質にならざるを得ない。
さらに、今のダルは、決め球がない。カッターがよくないと評されたこともあり、軸が見出しにくかった。制球難はそういう背景もあったと思われる。

Dar-20130608

1回、2死からエンカ―ナシオンを歩かせる。さらにここ6試合で12安打と馬鹿当たり中のリンドにも安打を打たれるがアレンシビアを打ち取る。

2回、ラスムスに安打、イズトゥリスが四球、一死を取るも投球は定まらず。しかし川崎に急速差のあるスライダーを3球投げて三振を取った時点で少し落ち着いた感がある。

3回、バウティスタは三振に取るが、エンカ―ナシオンを歩かせ、リンドに安打。アレンシビアはスライダーで三振を取るも、ラスムスに右中間を破る三塁打。中継プロファーの悪送球の間にラスムスも帰って3失点。
ここまでのダルビッシュには「配球」が無かった。行き当たりばったりに投げている感があった。

4回、日本の投手は打たれた後に突然よくなるケースがよくある。ダルは開き直ったように2シーム、カッターを投げ込んで三者凡退。

5回、バウティスタのエラーを起点に一三塁のピンチになるが、もう自信を取り戻していたダルはアレンシビア、ラスムスを連続三振。

6回、下位打線が早打ちをして7球で三者凡退。

7回、落ち着き払ってエンカ―ナシオンを含む3人を7球で仕留める。別人のようになって降板した。

この時点でダルは敗戦投手になりそうだったが、9回に代打ピアジンスキのタイムリーとアンドラスの犠飛で追いつく。

ここから延々、18回まで、レンジャースは4人、ブルージェイズは8人の救援投手を使ってだらだら試合を続けた。


日本時間午前2時に始まった試合だが、7時にはNHKが中継を止めてしまう。アキ猪瀬、仁志敏久のW解説に島村俊治アナのJ-Sportsも、疲れの色が濃い。ときおり移るスタジオの映像では、間もなく72歳になる島村アナのしわが深くなったように思えた。

18回裏、投手ウルフの牽制悪送球で三塁に進んだボニファシオがラジャイ・デービスの安打で帰ってくる。ブルージェイズの勝ち。
5時間28分。ダルビッシュがマウンドを降りてから3時間後のゲームセットだった。