実は間違いだらけのアロマテラピー

写真拡大

アロマテラピーは、リラクゼーション、癒やしをもたらすアイテムとして人気。でも、意外と間違った使い方をしているって知っていましたか? やらない方がいいアロマテラピーについて、アロマセラピスト・川上千香子さんにおたずねしました。

――リラックス効果のある香り、保湿にいい香りなどよく聞きますが、アロマオイルっていいことばかりなんですか?

「日本ではアロマオイルは雑貨扱いなのですが、ヨーロッパでは医療に使われたり、薬局で売られていることもあるものなんです。薬だって、誰でも飲んでいいというものではないように、アロマオイルも体質や状況によっては避けた方がいい、禁忌の香りもあるんですよ

また、よく妊婦さんはアロマテラピーを受けてはいけない、という話を聞きますが、私のサロンには妊婦さんも通っていらっしゃいます。むしろアロマの効果でお母さまがリラックスすることで、胎児にいい影響を与えることもあるんです」

――具体的に避けた方がいい香りを教えていただけますか?

「それについては、使用者の体調によって異なります。主治医にアロマテラピーを受けていいか確認した上で、専門知識をきちんと持っている、信頼できるテラピストの元で受けた方がいいですね。

妊婦さんはとくに禁忌の香りに気を付けないといけません。妊娠初期に使用不可な精油はラベンダー、カモミールG・Rです。これらは通経作用、つまり月経を促す作用があり、妊娠初期の方には要注意の香りといえます。

また、中期・後期に使用不可な精油は、クラリセージ、サイプレス、シダーウッド、ジャスミン、ジュニパー、ゼラニウムペパーミント、マージョラム、ミルラ、メリッサ、ヤロウ、ローズ、ローズマリーとなっています」

――では、妊婦さん以外ですとどうでしょう?

「アレルギーのある方は、ユーカリは避けた方がいいですね。また、日中にはオレンジ、グレープフルーツ、ベルガモット、レモンなどのかんきつ系は避けた方がいいですよ。

香りとして楽しむには問題はないのですが、直接肌に塗って外で日光に当たると、シミの原因になりやすいんです。

ほかにも、お酒を飲んでいるときはクラリセージ、授乳時はペパーミント、マージョラム、高血圧の方はユーカリ、ローズマリーにご注意ください」

――それらの香りをかぐと、具合が悪くなったりするのでしょうか?

「いえ、その人の体質や状態も関係するので、すぐに具合が悪くなる方もいれば、何となく気分が悪くなるという程度の時もあります。ですので、思い当たることがあったら、ちょっと周囲の香りに注意してみてください」

――いま、たくさん売られているアロマオイルですが、その質に違いはあるのでしょうか?

「ひとくちにアロマオイルと言っても様々です。きちんとした精油もあれば、オイルに香りづけされただけのようなものもあります。まず、購入の際にパッケージなどに学名・科名・抽出部位・抽出方法・ノート・香りの系統などがしっかりと書かれているか確認をしてください。保存料、香料が入ってないかについてもチェックをするといいでしょう。

そして必ず原液は肌につけずに希釈し(ラベンダー、ティーツリーはOK)、使用前には必ずパッチテスト(キャリアオイル5〜10mLに精油1滴を二の腕内側12時間)をします。

保存期間ですが、かんきつ系の精油は開封後約半年、それ以外は約1年。未開封でも約2年。直接日の当たらない風通しの良い冷暗所で保存してください」

――信頼できるアロマオイルを手に入れて、保存もしっかりしていれば心配なしでしょうか?

「いえ、マッサージの仕方にもご注意を。間違ったマッサージはシワを増やしたり、肌荒れの原因になるんです。