フランス・リーグアンでタイトル獲得が目前のパリ・サンジェルマン(PSG)だが、1−1のドローに終わった5日のヴァランシエンヌ戦が大きな注目を集めている。

PSGは前半終盤の43分、MFハビエル・パストーレがファウルを受けたかに思われたが主審の笛は鳴らず、ボールがタッチを割った際にDFチアゴ・シウバが主審に向かう。T・シウバは手で主審の胸を押さえ、アピールしようとすると、主審は同選手にレッドカードを出して退場を命じた。

PSGはこの判定に納得がいかず、レオナルドSD(スポーツディレクター)が試合後、カストロ主審に対して怒りをあらわにし、ドレッシングルームへ続く廊下で同主審を肩で押してしまう。同SDはテレビのインタビューで、「受け入れられない。T・シウバの退場は完全に非論理的だ。このまま続くのであれば、チームをピッチに送り出せなくなる」と話した。

レオナルドSDが言っているのは、エヴィアン戦でGKサルヴァトーレ・シリグ、MFマルコ・ヴェッラッティ、MFデイビッド・ベッカムが退場となったことだ。同SDは「シリグは誰も叩いていない。試合後にナーバスになっていたかもしれないが、2試合の出場停止だ。ヴェッラッティも2枚のイエローカードで2試合の出場停止。ベッカムは相手選手に触れてもいないのに退場だ」と不満をぶちまけた。なお、自身が主審を肩で押したことについては、「私は何も見ていない」と話している。

一方、カルロ・アンチェロッティ監督は「PSGは最もボールポゼッション率の高いチームだ。世界のどこであっても、そういうチームはイエローカードやレッドカードを受けることが少ない。ボールを持っていればファウルがないからね。普通のデータだ。だがフランスでは違う。審判団を批判したくはない。だがおそらく、今は彼らの方が選手達よりナーバスになっているんだ」と語った。

PSGは12日にリヨンと対戦。その前日、マルセイユが敗れれば、その時点で優勝決定となる。