「インテリアの歴史」(本田榮二氏著)の図書館納入500館突破

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本紙連載「インテリア閑話」でお馴染の本田榮二氏が、一昨年12月に出版した『ビジュアル解説 インテリアの歴史』(秀和システム)の売上が順調に推移し、図書館納入実績も4月10日時点で505館に達したことが判明した。図書業界関係者は、インテリア関連書籍が500館を超えるのは極めて珍しいと述べている。
国立国会図書館をはじめとする、東京都立図書館など全国47都道府県の中央図書館にはすべて納入されている。区立や市立図書館も、東京都の場合は73の公立図書館が納入済みという。大学図書館も国公立では、東京大学や京都大学、九州大学、東京芸術大学など。私立では、慶応大学、早稲田大学、多摩美術大学、日本女子大学などに納入されている。

図書館が本を購入する場合、図書館司書という公的資格を持つ専門員が毎日洪水のように出版される多数の本から、学術性や重要度、利用者ニーズを総合的に判断しながら選択している。しかしインテリア関連書籍はなかなか選択されない。理由は優先度の高い学術書が少ないと判断されていることに加え、インテリア業界の情報発信力が弱いため利用者ニーズとして顕在化しにくい2点が考えられる。こうした状況下、『インテリアの歴史』が、発売1年4カ月で500館以上の納入実績を確保したことは大いに評価できるという。

著者の本田氏は「温故知新の格言が教えるとおり、インテリア業界でも歴史総括の必要性が益々高まっている。古代ギリシャ・ローマやロマネスク、ゴシック、バロック、ロココ、アールヌーボーなどさまざまなインテリアの歴史は、その時代、その社会における必然性から誕生している。同書は単なる時系列的な記述に留まるのではなく、気候風土や宗教国民性、歴史、経済、社会、人々の暮らしを丹念に分析しながら、インテリアの各様式やカーペット、カーテン、壁紙、襖障子、畳などが誕生した背景を検証することに主眼を置いた。その点では、仕事にも役立つはず」と述べている。
『インテリアの歴史』は545ページ、オールカラーで写真&図版460点収録。価格は2940円(消費税込み)。全国の書店やインターネット書店で購入できる。

■「インテリアの歴史」目次
第1部 西洋編
第1章:インテリアの曙 古代四大文明 
第2章:ギリシャ・ローマ時代の室内装飾 
第3章:ビザンツとイスラム
第4章:中世の室内装飾
第5章:近世のインテリア
第6章:現代のインテリア

第2部 日本編
第7章:古代の室内装飾
第8章:中世の室礼(鎌倉時代〜江戸時代)
第9章:近代日本のインテリア(明治時代〜現代)