サクラ咲け!!

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「正月明けから、○○ちゃんとか△△くんを、一度も学校で見ていないんだよ」
そんな話を東京に住む小6の姪から聞き、驚いた。
地域差はあるだろうが、東京では(他の大都市でもそうかもしれないが)、中学受験をする子どもたちが、1月や2月に学校をお休みすることが多いのだと言う。

冬休み明け頃から学校を休ませるのには、理由がいくつかある。
「学校の授業内容は受験には出ないから」とか、「塾が学校を休んで受験勉強をするように指導しているから(受験直前プログラムを学校がある時間帯に組んでいるなんて熟もあったらしい)」とか、「そもそも学校の授業では受験で太刀打ちできないから」などなど。私立の有名中学校などでは、実際にそうなのかもしれない。

また、「東京都内の試験が始まる前に、埼玉、千葉などの受験で“練習”をするから、1月くらいからずっと学校をお休みすることになる」というケースもあるそう。
他に、「インフルエンザなど、伝染病の感染を防ぐため」「ケガなどを避けるため」ということで、一定期間休ませる家庭も少なくないという。

さらに、受験直前でなくとも、6年生になった頃からは、土曜の学校行事などもお休みさせ、塾に行かせる家庭はけっこうあるそうだ。
これには賛否両論あり、受験をしない子の親からは「学校を休ませてまで塾に行かせるなんて」という声があったり、以下のような意見もあったりする。
「地方出身の自分や周りの友人たちはみんな、塾通いしたこともなく、高校まで公立校でのんびり過ごして、現役で国立大学に入った。塾がない田舎だったからといえばそれまでかもしれないけど、東京の子がなぜ小学校を休んでまで必死に中学受験するのかよくわからない」(東京在住 小学生の母)
「中学受験のために学校を休んでまで勉強している子は、そこで燃え尽きてしまって、中2くらいでアレアレ?ってことになりがちです。子どもの成長には個人差があって、ピークをどこに持っていくかも重要。大切なのは、どの中学に行くかよりも高校、高校よりも大学、それよりも最終的にどんな仕事ができるのかだと思うんですけどね」(東京在住 教育関係者)

その一方で、受験をする子の親からは、「周りがみんな学校を休んで受験勉強をしているのに、我が子にだけさせないのは、可哀想」「十分な準備ができないことで、子どもに後悔させたくない」「もし落ちたら、ショックを受けるのは親ではなく、子どもなのだから、子どもの気持ちを優先させたい」という声も多い。
そうした議論では、たいてい「周りに流されず、子どもの意思を尊重してあげるべき」という結論に至るようだが……。

ちなみに、「学校を休んで塾通いし、見事、有名中学に合格した」という体験談はよく見かけるが、その子たちの「その後(どんな大人になったのか)」を追跡したものは見たことがない。
このあたり、気になるところではある。
(山田山子)