「殿」の頭上には「三日月」が。月がきれいですね。

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皆さん、恋焦がれる人に告白したことってあります? 私は、ノーコメントです。
いや、実は“愛の告白”についてちょっと興味深い逸話があるそうなんです。真偽不明のエピソードですが、少しの間読み進めていただけますでしょうか。


明治時代に英語の授業を受けていた学生が、「I LOVE YOU」を「我レ汝ヲ愛ス」と訳したそうです。それを聞いた彼の教師は、「月がきれいですね」と訳すよう指導したとか。
この指導を行った教師は、後に文豪となる夏目漱石だったと言われています。
当時の日本には「愛する」という表現よりも、「慕う・焦がれる」という表現が一般的だったそうです。
言葉の意味がイメージできない「愛する」という日本語よりも、大切な人と一緒に見る月はいつもより綺麗に見える……という気持ちの方が、当時の日本人には伝わりやすかったのかもしれません。


どうですか。素敵じゃないですか!? 愛しき人に「月がきれい」と声をかけ、そこからは以心伝心の世界。もう、それだけで想いが伝わってしまう。
日本特有の奥ゆかしさを、今に伝えるエピソードです。

話は変わって、いよいよバレンタインも近付きつつあるこの時期。ちょっと面白いものが発売されています。今までコネタでも紹介してきた“殿シャツ”や“殿パーカー”を発表しているブランド「殿」による新アイテムは、その名も『大殿 三日月パーカー』(税込み5,480円)。
「文豪・夏目漱石のエピソードからヒントを得た商品となります。密かに慕う心の表現を表すために、月をモチーフにしたパーカーを企画しました」(同ブランド・担当者)
漱石がイメージしたのは、恐らく満月。しかし、同ブランドが敢えて「三日月」をデザインしたのは、これから満ちていく三日月に恋の成就を重ねたからだそうだ。

もちろん、同ブランドがこだわるのはコンセプトだけではない。過去のアイテムと同様、サイズに関しても日本人に合わせて製作されている。日本人の体型に合わせ、肩幅も袖丈も着丈も日本人向けにしてあるそうだ。タイト過ぎず、大き過ぎず、日本人が合わせやすいシルエットに仕上がっている。
「通常のパーカーには裏毛を施していますが、今回はバレンタイン限定商品となります。ですので、春まで着ていただけるよう裏パイル地にいたしました」(「殿」担当者)
カラーも「黒×エンジ」、「ブルー×白」、「ワカクサ×金」という春らしい3色がラインナップされた。

ちなみに販売される時期について。
「2月14日のプレゼントに間に合うよう、発売は2月4日で締め切らせていただきます」(担当者)
女性から男性へのプレゼントでもいいし、男性が自分へ贈るために購入するのも良いだろう。

実は同ブランド、クリスマス時期にはハートのデザインをあしらったアイテムを発表したという。
そしてバレンタインには、この「三日月」。反響次第では、来年以降も同様のデザインがあしらわれた商品が発表されるかもしれないとのこと。

念を押しますが、漱石による“翻訳エピソード”は真偽が定かではありません。でも、信じたいですよね? だって、素敵だもの。
「バレンタインは三日月」、浸透させたい文化です。
(寺西ジャジューカ)