菌活の定番は、うがいや手洗い

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朝活、婚活、離活、ソー活……。いまや、○活という言葉が花盛り。コネタでも過去に「コラ活」などを紹介したこともあるが、この冬、注目のワードは「菌活」だ。

菌活とは何か? ざっくりといえば「さまざまな菌に対する活動」ということになるが、その活動内容は幅広い。

昨年、女性ファッション誌『AneCan』(10月号)で組まれていた特集、“さあLet’s「菌活」!”では、菌活を「菌を取り入れたヘルシーライフ」と定義。ここでいう菌とは、麹菌や乳酸菌などカラダに良い菌のこと。たとえば、麹菌はしょうゆや味噌などの発酵食品を作るのに欠かせないし、ヨーグルトやチーズに含まれる乳酸菌は整腸作用があるといわれる。塩麹や塩ヨーグルトブームの今、菌を含んだ食品を積極的にとっている人も多いのでは?

一方、菌のなかにはカラダに悪いものも多い。とくにインフルエンザや風邪が猛威をふるう冬は、細菌やウイルスによる感染症を予防しようという意識が高まる季節。その意味での「抗菌活動」も、略せば「菌活」。前述のカラダに良い菌に対する活動とはちがい、こちらはカラダに悪い菌が活動の対象となる。

後者の菌活として最もポピュラーなのは、うがいと手洗いだろう。2012年2月にライフメディアが発表した「冬の体調管理に関する調査」でも、2人に1人が帰宅時にうがいと手洗いをすると回答。さらに4人に1人は、外出時にマスクをすると答えている。最近ではさまざまな抗菌グッズも増えており、手軽なところではお茶に含まれるカテキンの抗菌作用が風邪予防に効果があるという話も有名。飲むのはもちろん、お茶でうがいをするのもよいといわれる。

しかし、なかには手洗いやうがいだけでは予防できない感染症もある。日本人成人の約7割がかかっているといわれる「歯周病」もそのひとつ。歯周病菌は唾液を介して感染するため、恋人や夫婦間、親子間で感染することもある。
「実は、口腔内の細菌は“バイオフィルム”という頑固な膜をもった細菌の塊で存在していて、歯周病もバイオフィルムによって起こる感染症です」
と教えてくれたのは、薬用マウスウォッシュ「リステリン」を販売するジョンソン・エンド・ジョンソン株式会社コンシューマー カンパニーの担当者。予防には歯ミガキに加えて、薬用マウスウォッシュやフロスが効果的とされるが、日本人のマウスウォッシュの使用頻度は低く、アメリカの半分程度だという。
「歯ミガキだけでケアできるのは歯の表面積である25%程度にすぎず、舌や歯ぐきなど口全体のバイオフィルムを除去するためには、殺菌効果のある薬用マウスウォッシュを使用することが大切です」

ひと口に菌といっても、良い菌もあれば、悪い菌もあり、アプローチ方法もいろいろ。あなたもこの冬、何か菌活してみますか?
(古屋江美子)