金箔を使ったLED照明『箔ゆら』(縁煌)。

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白熱電球など従来の照明に代わるものとして定着しつつあるLED。さらに、バックライトを必要としない超薄型照明ができる有機ELも一部商品化している中、そうした最新の次世代照明を展示する催し「ライティングジャパン2013」(リードエグジビション主催)が1月16〜18日の3日間、東京ビッグサイトで行われ、まだ雪が残っていた東京で大勢の観客が集まった。今回はそこで見られたおもしろい照明をいくつか紹介する。

『箔ゆら』『箔箱』(縁煌)という金箔を使ったLED照明。箔デザイナー・高岡 愛氏がつくった作品。金箔上のプレートの中にLEDが組み込まれており、金箔の枚数に応じて最適な光の量のバランスを考えて設計されている。ホテルのフロア、高級レストランなど上品で華やかな雰囲気を演出するのにピッタリの照明である。展示されていた『箔ゆら』は受注から約一ヶ月くらいで完成するそうだ。なお、箔以外のLED照明部分などは他の専門家に作成を依頼している

同じくLEDで杉材を使った『和紙の衝立照明』(鳥取電子)がある。「日本の伝統美でもある和紙を使った趣のある照明」という。なるほど、間近で見てみると確かにこれがLED照明とは思われないほど和の柔らかい光を絶妙に作り出している。やっぱり日本人はこういう伝統的な懐かしいものに魅せられる。ほかにも、和紙や竹細工を駆使した照明が他ブースでも多数展示され、照明の世界は和テイストが重要なトレンドのひとつであることをうかがわせた。

さらにユニークなものとしては植物育成用LED照明、観賞水槽用LEDやニワトリ育成に最適なLED電球などもあり、LEDの可能性の広さに驚嘆した。

他方、有機ELでは、『グラスランプ』と『アクリルランプ/たんぽほ』(イーエルテクノ)という珍しい照明があった。『グラスランプ』は吹きガラスでできたワイングラスを有機EL照明のあたたかな光によって幻想的に照らし出す。たしかに、巧妙なガラス細工と光が絡み合って暗い部屋で空間をほんのり照らすオブジェといった感じ。『アクリルランプ』は本物のたんぽぽの綿毛を閉じ込めたテーブルランプ。これもなかなか斬新で美しい照明である。

別の素材を入れたシリーズも展開予定とのことなので、今後さらに好奇心をそそる製品が期待できそうだ。また、有機ELの薄さを生かしつつ洗練されたデザインの照明も別ブースで見られ、たとえばデスク用照明スタンド、オブジェを下から照らすライト、壁に貼り付けて模様を形作るパネルのようなライトなど多彩な製品があった。

次世代照明はLED、有機ELを機軸に今後もどんどん新たな製品が展開し、より身近で便利なものとして定着していきそうだ。
(羽石竜示)