東京でも雪が降ったり、まだまだ寒い日は続きます。

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「エアコンは電気代がかかるから、石油ファンヒーターなどのほうがお得」というのは、かつての常識。
数年前から、石油価格の高騰などによって、実はコストパフォーマンス上では「エアコンが最強」という話をときどき聞く。

これってホント? なぜ?
家電量販店の担当者に聞いたところ、
「電気代・コスト面だけを考えたら、正直なところ、今はエアコンがいちばん安いんですよ。エアコンは近年、性能が良くなって、消費電力が非常に少ない節電タイプが多数出ているからです」

エアコンの消費電力表示は、最大動作時のものが記載されているが、部屋があたたまると、セーブ運転してくれるようになっている。
「そのため、エアコンの場合は、『適畳数』の機種を選べば、温風によって室内全体を無駄なくあたためることができるため、パワーを抑えて暖房できます」
ちなみに、エアコンでの暖房は、電気を使って、室外の冷たい空気を室外機に取り込み、圧縮して液化することで発生する熱を利用しているそう。この仕組みでは、消費する電気の何倍もの熱量を得られるため、石油ファンヒーターなどよりも光熱費がお得になるということだそうだ。
一方、ヒーターなどの場合は、器具のそばしかあたたまらず、電力量も固定になってしまうため、長時間使用していると、その蓄積によって消費電力が多くなるという。

本来、「補助暖房」であるはずのヒーターやストーブのほうが電気代がかかってしまうとなると、エアコンだけをずっと使用していたほうがお得な気がするけど……。
「確かに今はコスト的にはエアコンがいちばん安いですが、エアコンのデメリットは、設置位置が高い場所にあるということです。高い場所から温風がくるので、足元があたたまりにくいという面がありますし、室内全体をあたためるので、即暖性ではヒーターなどのほうが勝っていますね」

また、冷房に関しては「エアコン+扇風機やサーキュレーターを併用し、空気をかき混ぜるのが効率的」と言われているけれど、暖房の場合、エアコンとヒーターなどを併用したほうが、効率が良いのだろうか。
「ヒーターは扇風機と違って、空気をかき混ぜる機能はないので、残念ながらエアコンと併用しても電気代は上がるだけです。ただ、ヒーターはたちあがりが早く、器具のそばではすぐ暖かくなるので、エアコンとヒーターを併用し、最初はヒーターのそばで過ごして、部屋全体の温度が上がったら、ヒーターを消すという方法でも良いかもしれません」
ちなみに、器具のすぐ近くしかあたたまらないパネルヒーターやカーボンヒーターに比べ、セラムヒートは「ヒーター管の芯が太く、パワーがあること」「人に吸収されやすい波長の遠赤外線で体の芯からあたためてくれること」などから、エアコンと併用せず、単独で使用する場合にも比較的暖かいそうだ。

暖房器具の性能がどんどん向上し、新機種がたくさん出てくるなか、選び方・使い方も見直したいものです。
(田幸和歌子)