着るだけで2ショット。夢のようなTシャツです。
(C)2012 石森プロ・テレビ朝日・ADK・東映

写真拡大

日曜朝、テレビを観ていたら、バンダイのCMから、気になるフレーズが聞こえてきた。

「『仮面ライダーウィザード』の『NEXTPETS!(ネクスティーペッツ)』は、デザインに反応し、いつでもウィザードとの2ショットが撮れる」

なに、どういうこと!? Tシャツを着ればヒーローとの2ショット写真が撮れるって意味? 子ども向けにサラッと言っているけど、けっこうスゴイ技術じゃないんだろうか。

調べてみると、これは、Tシャツの絵柄と連動するスマートフォン向け「AR(拡張現実)」のアプリ『NEXTPETS!』を使うものらしい。
アプリを起動し、端末のカメラをTシャツのプリントにかざすと、画面上にキャラクターが出現して、一緒に記念撮影できるのだという。

こうしたスゴイ技術を子ども向け商品で扱うことに、ますます面白みを感じるが、そもそもなぜ「Tシャツ」を選んだのだろうか。そして、なぜヒーローとの2ショットに? きっかけなどをバンダイ広報部に聞いた。

「お子さまにとって『ヒーローやヒロインと一緒に写真を撮れたら』というのは、ひとつの夢だと思います。そうしたなかで、弊社ではキャラクターのアパレル需要がもともと高く、『さらに楽しめる商品を』ということから、AR技術を利用し、ヒーローと2ショットを撮れる衣料品を企画しました」
AR技術は、現実世界を、コンピュータを使って拡張するというもの。
AR技術を使った例では、実は過去に他社の技術で「ジンベエザメが飛び出す」とか「実写アイドルがポスターから飛び出す」といったものが話題になってきた。

また、バンダイでも、これまでイベントや「ガシャポン(カプセルトイ)」においてAR技術を利用したものがあったと言う。
「子ども向けTシャツにARマークを入れるというのは、厳密に言うとこれまでのイベントやガシャポンとは異なる技術ですが、発想はヒントになっています。特に衣料品にARマークを入れるうえで苦労した点は、適切な読み込みができるように、感度の調整を何度も繰り返し行ったことです」
Tシャツの単価は、税込1575円。イベントなどで行列してヒーローと2ショット写真を撮るのに比べて、なんて手軽で、便利な時代がきたのだろうか。

ちなみに、この技術は現在、特許出願中。
応用すれば、他のキャラクターとの2ショット写真もいろいろできそうだけど……。
「今後は半袖の発売を予定しているほか、皆さんのご要望に応じて、他のキャラクター展開も検討していきたいと思っています」

子ども向けTシャツだが、なかなかどうしてスゴイTシャツなのである。
(田幸和歌子)