ブ、ブランコはちょっと……。

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筆者の知り合いに、「揺れ恐怖症」という、マニアックな恐怖症を持つ人物がいる。ブランコに乗ることが怖く、風呂などで揺れる水面を見ただけでも、震えと冷や汗が出てくるらしい。その一方で、ジェットコースターなどの絶叫系には問題なく乗れる、というか大好きらしく、絶叫マシーン嫌いの類でもないらしい。今回は長年不可解だと思っている彼女の恐怖症について、解明してみることにした。

まず具体的にどういうものが怖いのかを聞いてみると、「大きな揺れを感じるものは基本的に恐怖を感じます、なので海や波の出るプールもダメですし、部屋の電灯の紐が揺れているのを見ても気持ちは不安定になります」とのこと。

さらに驚くべきことには、「大気の震えを感じるほどの大きな音、特にお腹に響くような和太鼓や神社の鐘の音などは聞くと同じような恐怖を感じる」らしい。もし彼女が、ナメック星において孫悟空が完全体フリーザと大気がふるえるほどのスーパーバトルを繰り広げる現場に居合わせようものならどうなってしまうのだろうか。くれぐれもドラゴンボール探しの旅などに出ないよう、注意をしてもらいたいものである。

このように、色々なものに恐怖を感じる彼女なのだが、日常生活に支障はないのだろうか? これについては、「日常生活で見たり聞いたりするようなものは、ある程度慣れるので大きな問題はないです。ただ、休日や旅行で友人などといるとき、自分の恐怖症のために相手の行動をさまたげるのは申し訳ないし、かといって説明するのも難しいのでそういうときは困りますね」とのこと。最近は、「船に乗っても恐怖を感じるんですが、説明しづらいので船酔いということにしている」らしく、色んな意味で苦労も多いようである。

話を聞くたびに、変わった恐怖症だなあという思いを強くしたが、その後「揺れ 恐怖」などでグーグル検索をしてみると、この揺れ恐怖症を持つ人は意外と多いらしいことが分かった。彼女の訴える症状は、「揺れ恐怖症」の典型的なものらしく、中には音楽を聴くだけで恐怖を感じる人もいるようだ。

ちなみに、揺れ恐怖症意外にも、「何かがみっしり集合しているのが怖い集合体恐怖症」「自分や他人の嘔吐に恐怖を感じる嘔吐恐怖症」など、世の中には知られていないが決して稀ではない恐怖症はたくさんある。

ということで、今度船に乗って、船酔いをしている人を見かけたら、その人の前では紐を揺らしたりしないよう、気をつけようと思う。
(エクソシスト太郎)