民主、自民への対抗勢力を掲げる「第三極」の動きが活発化している。“卒原発”を主張し、12月2日に「10年以内の原発完全廃炉」などの衆院選公約を発表した滋賀県の嘉田由紀子知事を中心とした「日本未来の党」には、「国民の生活が第一」「減税日本・反TPP・脱原発を実現する党」が合流。その一方、「日本維新の会」と「みんなの党」は合流の見送りが決まった。

これら「第三極」は政権与党にならなくとも、衆院選後の勢力に応じて、さまざまに連立・提携する可能性が高い。となれば、その組み合わせによって実現できる政策、実現できない政策のメニューも大きく変わってくる。積極的に支持したい政党がない有権者にとっては、ますますどこに投票すべきかわからなくなってしまう。

テレビ朝日コメンテーターの川村晃司氏は、こうアドバイスする。

「自分が最も優先する政策をひとつだけ絞ればいいんです。例えば、憲法改正にだけは反対したいと思ったら、同じ意見の候補を見つけ、投票する。その場合、党にこだわることはありません。憲法改正に賛成の党でもその中には必ず慎重派はいるものです。そうした議員を当選させることによって、憲法改正に歯止めをかけることができます」

しかし、今や政党が平気で政策をホゴにする時代。政策を信じられない場合はどうすればいいのか。政治評論家の有馬晴海氏が答える。

「確かに民主の公約破りで、誰もマニフェストを信じなくなりました。おまけに期待の維新も石原・太陽の党と数合わせに走ってしまった。当選のためならなんでもありという状況です。こんなときは政策よりも人物で選ぶしかありません」

地域に密着して政治活動をしてきた候補を探し、その生演説を聴きに行くことを有馬氏は勧める。

「その話し方、表情、所作に意外と人柄や資質がにじみ出るものなんです。それをじっくり観察し、これなら大丈夫と思える候補者に票を投じればいいんです」

もっと前向きに、「今回の衆院選をチャンスととらえるべき」というアドバイスも。ジャーナリストの青木理氏が言う。

「少子高齢化になり、経済は右肩下がり。だからこそ、これからの日本はどうあるべきか、低成長時代の豊かさ、生き方とはなんなのか、国民一人ひとりが問い直さないといけないでしょう。ひとりの政治家、人気者のヒーローにその作業を任すべきではないんです。原発、TPP、9条改正など、すぐに答えの出ない争点と向き合うことになる今回の選挙は、その問い直し作業のまたとないチャンスになるはずです」

自分の一票を“死に票”にしないためにも、政策重視で16日の投票所へ向かいたいものだ。