『廃棄少女』より『先生を流産させる会』の少女たちが、“アレが起きた”後の世界で死闘を展開
 - (C) 2012 内藤組

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 実際の事件をモチーフに、妊娠中の女性教諭を流産させようとする女子中学生たちを描いた映画『先生を流産させる会』のブルーレイ&DVDが、東日本大震災以降の「明日」をテーマにした短編『廃棄少女』を収録し、10月に発売される。

 2009年、愛知県のごく普通の中学校で男子学生が起こした、悪質な事件を基にした本作。生徒の結成した会の名『先生を流産させる会』を使用したショッキングなタイトルはもちろん、会を結成する学生を男子ではなく女子に設定したこともあって、インターネットを中心に大論争が発生。劇場公開時には連日立ち見のヒットを記録した。

 映画では、これから母親になる女教師と、妊娠できる体になりつつある少女たちの対立が描かれることに。妊娠した教師を「あいつセックスをしたんだよ、キモい」と嫌悪し「生まれる前に死んだ子どもなんて、いないも同然じゃない」と語る生徒に「わたしは教師である前に女なんだ」と毅然(きぜん)と立ち向かう教師。ショッキングなやりとりを通し、彼女たちの「いのち」をめぐる葛藤(かっとう)が浮き彫りとなる。

 発売にあたっては、本作のメガホンを取った内藤瑛亮監督が、311仙台短篇映画祭のプロジェクト作品として出品した『廃棄少女』のロングバージョンが収録される。劇中では『先生を流産させる会』の少女たちを再起用し、普通の人が生きられなくなった地を舞台に、ガスマスクと防護服に身を包んだ敵と彼女たちの死闘が展開。衝撃的な作品で世間の話題をさらった監督が、3.11以降の「明日」への思いを描いた、こちらも興味深い一本となっている。(編集部・入倉功一)

映画『先生を流産させる会』DVD&ブルーレイはキングレコードより10月10日発売 税込み価格 3,990円(DVD) / 5,040円(ブルーレイ)