イタリアが書き換える野球界の「常識」
そして、肝心の国内リーグも、まだまだ彼らにとっての完成形とは程遠い状態にある。マエストリやリッディのような、イタリアで生まれ育った選手たちよりも、ベネズエラ、キューバ、アルゼンチンといった中南米から海を渡ってきた、移民たちが主力としての座を掴むIBLにおいては、今年までの3シーズンで毎回参加球団が変わっている。来シーズンからは、これまでの1リーグ8球団制から、2リーグ12球団制へと拡大する見込みだと伝えられる一方、その理由が「チームの移動範囲を狭くし、遠征費の負担を減らすため」という後ろ向きな理由だという報道もあるらしい。現時点でも、レギュラーシーズンでは6強2弱の状態。果たして、今回のリーグ拡大がどのような結果をもたらすのか、まだ先は不透明な状態だ。
まだ不透明な部分も少なからず内包しつつ、それでも確かに輝きを放っているマエストリとリッディ。彼らの右腕やバットは、やはりこの国の野球界にとっての象徴であると言って、間違いはないのかもしれない。
日本生まれイギリス育ちの大学生が、第2の故郷ヨーロッパの野球事情について熱く語ります。ヨーロッパ各国リーグの速報やコラムなどもあり。