4月21日に史上21人目の完全試合を達成した、ホワイトソックスのフィリップ・ハンバー投手が、26日のレッドソックス戦では5回9失点と炎上してしまいました。

皆さんは、この結果をどう受け取られているでしょうか?
ハンバーは、2004年のドラフトでの全体3位指名ながら、プロ入り後は故障続きで数球団のマイナーで長年燻ぶっていた苦労人で、昨季ようやくメジャーに定着しています。
その分、偉業の喜びもひとしおだったと思いますが、あまりに素晴らしかった前回登板に比較し、26日は極端なコントラストとなりました。
「やっぱり、前回はフロックだったのか?」
そう思われた方も少なくないでしょう。

私は常々思っていました。
意外な投手が時として達成することもあるノーヒットノーランとは異なり、完全試合ともなると真の実力者がさらに極めて稀な運も得た場合のみ達成されるものだと。

ノーヒッター(完全試合や、継投による達成、無安打ながら失点のあった場合も含めると)は、過去273回も達成されています。
その中には、近年でも2010年のエドウイン・ジャクソン(当時レイズ)や2006年のアニバル・サンチェス(マーリンズ)のようにかなり意外な伏兵による達成もありますし、2001年のカージナルスのバド・スミスに至っては「そんな選手居たの?」という方がほとんどではないでしょうか。

しかし、完全試合ともなると一段とハードルが高くなり、達成回数は過去21回のみと一気に頻度は少なくなってきます。
したがって、その達成者のほとんどは(程度の差こそあれ)それぞれの時代を代表する名投手ばかり「だった」と言って良いでしょう。
近年でのランディ・ジョンソン(2004年)やロイ・ハラデイ(2010年)などはその典型です。
数少ない例外は、通算49勝80敗だったチャーリー・ロバートソン(ホワイトソックス)ですが1922年の話です。
戦後では1956年のワールドシリーズで達成したヤンキースのドン・ラーセンが通算81勝91敗ですが、だからこそ彼の「一瞬の煌めき」は後世まで語り継がれることになったとも言えるでしょう。

しかし、2010年の母の日に偉業を達成したものの昨季から故障に苦しんでいるダラス・ブレイデン(アスレチックス)といい、今回のハンバーといい「一瞬派」がやや幅を利かせてきた?ような印象があり、大変興味深いものがあります。

失礼!ハンバーにせよ、ブレイデンにせよ「一瞬派」とかってに決めつけてはダメですね。
まずは、ハンバーの次回登板を注目しましょう。