4月12日に行われた韓国の統一選挙で、博士論文を盗作したとして物議をかもした与党セヌリ党の文大成(ムン・デソン)候補が当選した。これを受け、米国のシカゴトリビューン紙が「韓国は盗作の天国」と皮肉ったことが明らかになった。韓国メディアが14日、同紙の報道内容を相次いで伝えた。

 シカゴトリビューン紙は、3月29日に博士論文がブルガリアの研究者の論文を盗作したことが判定され、博士号を剥ぎ取られたハンガリーのパル・シュミント大統領の事例を取り上げつつ、「韓国は盗作の天国」と伝えた。その上、文氏が大学の教授という役職についていることから「事実となればパル・シュミントの事案より深刻だ」と伝えた。

 シカゴトリビューン紙は、文氏のIOC選手委員資格にも疑問を投げかけた。文氏は2008年北京オリンピックでIOC選手委員となっており、同メディアは「IOCはいんちきをやる選手は禁止している。IOC委員にも同じく適用されるべき」と主張した。

 文氏の博士論文は、ほかの論文の誤字まで丸写した形で、数十ページを盗作した疑いが持たれており、選挙の前から野党側やネットユーザーを中心に論文の審査と選挙を辞退すべきとの批判が殺到していた。文氏の議員当選について、韓国世論は厳しい視線を送っており、セヌリ党も15日に同問題を議論するという。論文盗作が事実と判明された場合には、離党勧告も含めて厳しく対応すると見られている。

 シカゴトリビューン紙の「韓国は盗作の天国」の報道は韓国でも大きく報じられ、「文大成のせいで韓国は『盗作の天国』との汚名を」「国際的に恥をさらすこととなった」など批判的に報じる一方で、「IOC選手委員の資格をはく奪されるのか」と懸念するメディアもある。(編集担当:金志秀)