――女優として、今後の自分に課しているミッションはありますか?

加藤:映画に出るのが好きで、映画の現場とか、作品に対しての想いとか、作り方が好きなので、規模とか関係無く、もっと色々な映画を見て、現場に参加してみたいですね。最近、特殊な作品も多いんですけど、職業を持った女性とかの役も段々多くなってきたので、その幅をもっと広げたいなと。あと、ネットドラマとかが出てきていて、日本国内だけでなく世界でも観られるので、参加してみたいなと思いますね。

――今後近い将来、ラトレッジ博士が開発中のこのプログラムが、現実世界で実用化される日が来ると思いますか?

加藤:多分、人が想像した物は、いずれ実際に出来ると思うんですよ。でも、それを正しい使い方をする人もいれば、そうではない人もいるので、できれば現実になって欲しくないなぁ、という感じもしますね。要は、現実逃避のために使ったりしてしまうと、例えば「働きたくない」とか「引きこもっていたい」という人が集中しちゃいそうだな、という気はしましたね(笑)。自分の戻りたかった過去に戻れる訳ですから。

――もし加藤さんが、自分ではない誰かの意識とリンクして、別人として振る舞えるとしたら、入れ替わってみたい人はいますか?

加藤:なれない職業とかにも就ける訳ですよね! でも、突然は困るなぁ。赤ちゃんとか楽しそうですね。多分「あー」とか「うー」しか言えないと思うんですけど、「すごく一生懸命あやしてるな」とか思ったり(笑)。あとは、外国の方とか、自分にない体格や体型。背が低い人とか、視野が変わるので。

――身長は168cmでしたよね。ないものねだりで、背が低い方が良かったと思いますか?

加藤:仕事としては背が高い方がいいんですけど、普段、街とか歩いている時に、勇気を持ってヒールの高い靴は履きにくくなりますね。「私、背が高いんです!」みたいな主張というか。男性の目線よりもちょっと高くなったりするので。

――ミッションを重ねる中で、スティーヴンスは「もし人生が残り××分なら?」とクリスティーナに2回尋ねますが、1回目と2回目で答えが違うんですよね。加藤さんだったら、どうしますか?

加藤: 1回目は「8分しかないから、アレをしよう、コレをしよう」と考えて終わると思います。2回目は、ちょっと学習して…結局、人生は残り8分じゃないじゃん!って話なんですけど(笑)。2回目は、さっきはダメだったから、とりあえず1個は何かとやってみよう、って無駄に誰かに話し掛けてみると思いますね。それで、何も生まれず、そのまま終わると思うんですよ。3回目は、両親とか自分の身内に連絡をしてみると思いますね。しかも「あと7分しか生きられないの!あと6分…あと5分…4分…3分…じゃあね!」という会話で多分終わると思います。これまでの感謝の気持ちとか、あの時はこうでごめんねとか、私はそんな咄嗟に伝えたい言葉をまとめられないと思うので、慌ただしく終えると思います(笑)。

――やっぱり、最後に話したいのは両親や身内なんですね。

加藤:両親とか実家だと、電話番号を覚えているというのもありますし。でも、電車に乗っていたら、まず降ります。痛くない死に方で終わりたいですね。

――この映画には「警告:このラスト、映画通ほどダマされる。」というキャッチコピーがありますが、乗客の中から爆弾犯を探したり、結末を予想して、ダマされましたか?

加藤:私が怪しいと思っていた人は何も無かったり、映画の趣旨や意図するものとは全然違う所でダマされてたから、「私は映画通ではないかもしれない」かなと思いました(笑)。

――推理小説など、序盤で犯人を予想して当たるタイプですか?

加藤:いや、全然外れますね(笑)。

――列車の中には様々な乗客がいましたが、特に印象に残った人物は誰ですか?

加藤:コメディアンですね。でも、見た目はコメディアンらしくなかったです。あと、クリスティーナの元彼がすごく気になったりしました(笑)。

――では最後に、この映画のオススメの楽しみ方などを教えてもらえますか?

加藤:もちろん友達同士で行っても楽しいと思うんですけど、できれば恋人同士で観て欲しいですね。観終わった後に「残り8分だったら、どうする?」とか男女間でも違うだろうし。カップルで行ってスリルとかを体験して、「誰が犯人だと思った」という話とかも、すごく盛り上がる作品だと思うので是非、観て欲しいですね!

『ミッション:8ミニッツ』特集ページ